しこりの意味を理解する-2

しかしながらです。
頸椎のしこりはいきなり解放してはなりません。
「しこりがあるということはからだにとっていけないことだ」ということはお説ごもっとも。でも、それだけではそのしこりの存在意味を半分しか理解していないというしかありません。
もともとその筋肉のしこりはわざと自分自身の体を支えるためにつけたものということを理解しなければなりません。からだの偏った使い方があるので、それを効率よく支えるためにしこりをわざわざつけて、最低限のエネルギーで体を支えるようにと進化していったのです。それはたとえば母屋が古くなりゆがんだ状況となってしまったとします。傾いてしまったから、それでは倒れてしまうのでつっかえ棒をいれて支えました。それでどうにかこうにか立っている状況です。このつっかえ棒がなければその母屋は倒れて崩壊しかねないから、徐々にそのつっかえ棒をゆがみや傾斜の度合いが強くなればそれに合わせて強固な大きなものとしてつけていったということです。

ですのでカイロプラクターがいきなり、そのクライアントの頸部のしこりのみを除去していこうとマッサージをし、そして同時に自分でもここを揉みほぐすようにしてねと指示したことにより、頭という10Kgもある重いものを支えるためのつっかえ棒をいきなり抜いてしまいました。本来は頸椎がまっすぐに立つことができてスカイフックをキープできるようにするために、からだの下半身からのゆがみを改善していくことを、頸部の解放に先行させるかまたは同時進行で行う必要があります。
それがなされないでつっかえ棒としての首のこりを急に抜かれたクライアントは、首の筋肉が急激に柔らかくなりその筋肉でかえってより強く自分の喉を締めつけて呼吸を浅くします。そして首の骨のゆがみは、実は以前よりも大きくなってしまっています。。。それにより自律神経失調症の症状が出てきてしまいます。よくしていこうと願ってカイロプラクティックを受けたのに、状況が一端はよくなったのに後になると徐々にそして加速度的に状況がより悪くなることがあります。気をつけなければなりませんよね。。。