足腰が大事の意味

足腰が大事という。

なぜ足腰が大事なのだろう。

ひとついえるのが、体の筋肉総量の過半数が足。
とりわけ太い筋肉が揃っている。

■太い筋を積極的に利用する事のメリット。
・肉体疲労を減少させる
・運動パフォーマンスを飛躍させる
・体内にしこりを作りにくくする
・骨を中心に据えた動きを作り出しやすくなる

体の動きは、足腰の動きを協調的に取り入れているかが運動の質に関わってくる。
どんな動きに対してもそうだろう。

書道をするとき上半身を澄みきった曇りのない静止状態を作り出すには、
芸術的な足腰による支えの力が必要だ。
体のふらつきはこころのふらつきの現れともなる。
逆に体のふらつきがなくなればこころのふらつきを抑えることも自然にできる。
背筋を伸ばしコントロールするにしても、地面との接点の足腰が使いこなせねば、
できる芸当ではない。

別の面として次の機能もある。

・体を支える機能
・体を運ぶ機能

足は地面に密着している。
倒れないための機能が進化した。

足は骨を除きほぼ筋肉で占められている。
筋肉は体の他の組織よりも重みがあり、
血液を足の筋に吸わせておけばその重みは増す。
立てば血液が下へ流動的に落ちるわけだ。
結果、下半身に重心を落として体を支えやすくする。

その人間と他の動物と比べてみると足(臀部含む)の作りの差は大きい。
他の動物と骨格的に腰部骨盤脚の骨や筋などを比較すると、
直立歩行の進化した足跡がうかがえて興味深い。

同時に足は体を移動させるために進化した側面もある。
その場合、足の重さは体の移動を妨げる原因になる。
エチオピアのマラソンランナーの足は細い。
重さが少ない分、容易に前に振り出せる。

足の重さを上げて体を安定させてしまえば、
体の省エネ型移動を抑止してしまうことを意味する。
これはお相撲さんとマラソンランナーの脚部の差を観れば解る。
目的運動に対応して機能特化をはかった結果だ。
きっとスポーツ選手なりバレエダンサーなり、目的に合った体を明確化できれば、
それに書き換える事が容易なのが足腰とも言えるだろう。

足腰は、筋肉ばかりでできているものだから作り替えやすい。
その反面、間違った作り方をしやすいというのも足腰。
いろいろと化けて造り上げていく面白さは、
荒くれた馬を乗りこなすような感じと共通する。