『ヒューマン・ホログラム・ビジョン』-1

『ホログラム』とはレーザー光線を用いた三次元画像で、
光源や見る角度によって変化する。

空間に立体的に浮かび上がる映像。
手で触れてみたくなる不思議体験ができる。

そして私たちの『脳』。
ものを知覚するときに、
脳は五感情報を有機的に捉えている。
その情報を用いてホログラム映像を脳に描きだす。
それを私たちは観ている。
そのお陰で環境にあった状況分析や判断ができます。

ホログラムを描くときに、
光源レーザー光線照射ガンが多ければ
緻密なホログラム映像が浮かびだす。

脳でもおなじ。
精度の高い情報がふんだんに得られれば、
緻密な脳内ホログラムが描き出せるのだ。

体の各知覚器官
・見てわかる視覚情報
・触っての触覚情報
・筋のキネマティック情報
・嗅覚
・聴覚

知覚情報量は、
上記の有効知覚装置の活性量に比例している。

知覚情報量をふんだんに得ていれば精密なホログラム像を観て、
少なかったり偏れば欠けたホログラム像を観るのです。

だが脳は欠けたホログラム像を描くときに、
補完作業をします。
脳内の3次元画像解析装置を使います。
たとえば事故で指が切り落とされた後に、
切り落とされたはずの指先が痒く感じる。
脳の解析装置は、
ない指をあたかも存在するように描き出します。

だが高い代償を払うことに。
脳に負荷がかかりすぎる。
脳は全体の1/3もの血液を必要とする器官だ。
知覚装置が正常に働いていない状況は、
脳がこれ以上の血液燃料を消費し疲労する。

これは知覚装置の機能低下の初期状況。
知覚装置の機能低下が進めば、
ホログラムの補完作業も追いつかない。

知覚装置のデバイス部分にもやがかかり、
虚像を正常な像として受け入れだす。
現実界の把握能力を狂わす。
変位した体のパーツを通して偏った像を観る。

たとえば知覚装置の一つである筋感覚。
各筋肉は対応する神経を支配している。
筋肉がしこり化し、
血行が悪くなるエリアができれば、
その支配下にある神経への血流が悪化。
神経はエネルギー不足で麻痺や誤作動を起こす。
だから筋肉のしこりパターンを見れば、
その人の脳内ホログラム像のぼやける箇所が見えてくるのだ。

アスリートやアーティストはこれに気づかずに伸びない者が多い。
逆にこのもやをはらすことで変貌を遂げることがある。
現実界の把握能力復活で『化ける』のです!