免疫系組織の文章力

ノーベル医学賞をとったデンマークの科学者、ニールス・イェルネ。
この人によれば、

「人間の言語は約10万語以下の言語量で間に合わせている。
だが、免疫系の抗体の符号の推定数はその100倍もある。」
そうです。

言語とは、人間が言語脳を使い利用する道具。
免疫系の抗体は、さまざまな体外の害となる物質を把握するため、
脳と同じような力を持つ。
つまり同じような体に害となるウィルスを体験すれば抗体が作られ、
二度目にそのウィルスが入ってくるときにはスムースに対処できる。
そのようなデータを膨大な量ストックしている。

その抗体のデータをストックは、
『単語』で記憶しているのではなく、
意味内容を持った『文章』として構成されていると推定されています。

ことばを話す脳と同様、
創造的なやり方絶えず自分自身を表現する方法を、
免疫系は生まれつき持っているそうです。

遺伝子情報も一定の遺伝子の並びで情報を伝えるものですが、
免疫系は単語と単語をつなぎ合わせて文章化して情報を保持している。
脳と同じように文章を作り出すシステムが、
免疫系の中に存在している。

自分の体の中の文章を作り出す意識体が、
そこに存在しているような感じを受けます。

プラシーボ暗示などで脳の潜在意識に、
ことばをインプットするとき。
たとえば開腹手術をして腸閉塞から回復するまでの期間を、
暗示で短くすることができる研究成果を発表する大学がありました。

暗示ワードはこうです。
「あなたの胃はよく動いてごろごろいい、
あなたの腸はせっせと働いてごぼごぼいい、
術後はすぐにおなかがすくでしょう」

これで術後良好で1200ドルの費用が節約できたそうです。
(『心は病気を治せるか』 p120 著リンダ・w・スミス 三田出版会 より)

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自分の体の中の免疫系組織のことばを作り聞き分けるシステムと、
脳のことばを作り出すシステムにそう違いはない。
自分の脳が聞いていると同様に、
体の中の免疫系組織たちもことばを聞き分けて理解しているのでは?

私がそう感じるだけのことですが。^^1
そう思うとプラシーボするときに、
免疫系組織を擬人化して語り掛けやすく感じます。

アメリカの医療系大学が実験で成果発表をしています。
免疫系の言語解釈力の作用かどうかはわかりませんが、
プラシーボ効果は大変興味深いものですね。