『腕を持ち上げる』と『腕を吊る』

腕の脇の中に大きなしこりを作る方がいる。
かなり多いようです。

ご自身がその脇中にあるしこりに気づいていないことが多い。

この場所の筋のしこりは使いすぎによって造られた。
そういう場合が多い。
ではどういう運動をしてこの脇の内にあるしこりをつけたか?

筋トレでこの脇を酷使した記憶があるでしょうか。
おそらくないでしょう。

体を起こしている間中、
腕を持ち上げている作業をしている方がいます。
その無意識のうちに行っている筋トレを本人は気づいていません。

その際左右の腕を持ち上げている人で、
右肩上がりの方が多いのですが、
すると右の脇中に左以上の大きなしこりを造る。

そのような方の特徴をいくつか。
・首が短く見えます。
・そして頚椎の間の椎間板は短くなります。
・肩の片側が特に上がっている。
・肩が前側に回り込んでいる。
・顎が前に出すぎている

肩が上がると呼吸がしにくい。
走って疲れてくるときに呼吸が乱れ、
肩を上げてはあはあ呼吸をする。
胸式呼吸に偏る。
腹式呼吸がしにくい。

対面してお話を伺っているときに、
上記の特徴があれば「これくらいの脇内側のしこりがあるのでは?」
と頭の中で予測計算しています。
そんなにその予測が大きく外れることはありません。

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肩から伸びる手は、
重力に逆らわず吊り下げるもの。
持ち上げてはいけません!

重力と仲良く付き合うようにすれば体の筋肉は緩みだす。

重力に逆らって腕を持ち上げればしこりができ、
重力に任せて腕を肩からだらんとつるせば筋肉は緩みだす。

たとえばパソコンでキーボード操作をするときも、
しっかりと手をデスクに置いて重さを伝えるのだ。
そうすることで呼吸も多少深くなったことに気づく。

日常生活の中で、『腕を肩から吊り下げておく』。
そうすることを意識的に選択するべきです。

だがしこりは記憶合金のような性質があります。
しこりがあれば悪い姿勢をすぐに再現しやすい。
すると上記の特徴を引きずる。
だから大きすぎるしこりにまで育てた方は、
かなり痛みが出るしこり部分ですがワークなどで
しこりを解くこともよい方法でしょう。

でもやっぱり!
ちゃんと日常生活での腕のつり下げを実践することが一番大切。
本当に腕って重いんですから!