先日お客様より教えていただきました。
乗馬の本の乗馬ポイントの表現で、
『ボールの上に卵を立てる』
そんな感じで馬に乗るといいそうです。
たとえばバランスボールのようなボールのうえに卵を乗せます。
その卵をただ乗せるだけではありません。
立てて乗せるのです。
そのためにはどうすればいいでしょうか。
バランスボールのボールの頂点を見極める。
その卵の最下部とバランスボールの頂点を合わせる。
卵の重心点を見つけて立てます。
平面で卵を立てるよりも、
ボールの局面のほうが難しい。
ほんのわずかな重心点のずれでも、
卵がボールから落ちます。
それでも丹念にボールに乗せてわずかな重心の狂いを補正していく。
これを繰り返していく。
するとしばらくすると、
ボールのうえに卵を立てる感じをつかむことができる。
人の手の感覚は名工はミクロン単位まで感じ取れる精度を持ちます。
わずかなバランスの違いを、
細心の注意力で判別し適正な位置に補正を繰り返します。
そして乗せる。
うまくボールに卵を『立てる』とは、
うまくボールに卵を『乗せる』ということです。
立てるというおき方も乗せ方のひとつのパターンでしかありません。
なにも支えがなくても立てて乗せられている状態。
骨格の自重を支える能力を引き出した立ち方には、
この乗馬の本と共通するイメージがあります。
なにかに寄りかかることなくボール上で『自立している卵』。
ちょっと観ると「えっ」こんなことできるの?!
そういう驚きの声が出るかもしれません。
ですがこの原理と同様の力で身体は地球に乗っています。
(立っているのではなくて乗っているのです!お間違いなく!)
-
-
- -
-
ただ乗馬では馬が動いて走っていくし上下のゆれや左右のブレがあります。
静的に止まった世界ではありません。
動的な世界ではより高度な身体制御能力が求められます。
卵の下のボールが縦横無尽に動き、
それに合わせてまたは予測察知して
重心ポイントを常に制御し続けなければなりません。
私は乗馬をしたことはないのですが、
奥深いものと感じました。
大学の乗馬部になると馬のお世話までしてという話を聞いたことがあります。
食事やトイレのお世話までの重労働だそうです。
ですが乗馬経験をお持ちの方は、
馬に乗る感覚と身体を立てる感覚の種類がオーバーラップして感じ取れるでしょう。
貴重な経験ですよね。