力が理想的に放てたとき

力をだしすぎると体が疲れてしまってしょうがない、
そういうときってあります。

体の中心軸や水平軸などの頼りになる『体の支え』を持たないとき。
またはその軸をぶれさせる結果となる動きをしたとき。
そのときにはエネルギーロスが大きくて疲れ果てる。
力が自分自身の体内に滞り内攻してくる。

でも体の使い方を達者なレベルまで体得した場合、
状況は違ってきます。
合気道の達人の如く容易には到りがたい世界です。
私も偉そうなことをいえるほどでもないのですが、
ほんの少しだけその感覚がわかります。
軸感覚は必須です。

体を達者に使える方は、力が気持ちよく外へ放たれた次の瞬間、
エネルギーが体の中に満ちてくる感覚に目覚めるときがあります。
力が自分の体から外へ流れ出るときにスカッとした爽快感がある。
同時に作用反作用の如く、力が湧いてくる。

力が放たれて外へ伝えきれたことが、
力が体内へ満ちてくる条件にさえ感じられる。
体内に満ちた力をまた外に放てば、
また力が満ちてくる。
この繰り返し。

生命力の強い好転サイクルのようです。

波が寄せては返す姿に似ています。
または呼吸の仕組みにも通じます。
息は吐くことで入ってきます。

息を外に放てば、
まるで肺の外と内側の空気圧の差をなくすが如く、
すぅ〜っと肺の中に空気が吸い込まれていきます。

息を潜めたり止めたりすることなく、
適切な量を吐きだすことに注意をすればそれでいい。
あとは楽に肩の力を抜きます。
自然に任せる王道をいくだけでいい。

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力を外に放ちきれていないとき、
力の満ちていく好転サイクルを手放すことにります。

・筋肉を緊張させた状態で長時間保持されること
・体を前傾させて立たせていること
・腰の反りがきつい状態で立っていること
・・・

このような場合、
自分の体の中に力が滞って外へ放てない。
このときに体の内部で力の内攻が起こる。
その筋肉を過用させて炎症を起こさせる。
次のステップでその筋をしこり化させる。
その時点で力の満ちる筋感覚を奪っていく。
これは悪循環です。

『うまく自分の筋力および体重を外へ放っていく(逃がしていく)こと。』
この注意力は身を助けるでしょう。

エネルギーを体にうまく循環させるための、
大切なことだと考えています。