書籍紹介:『操体法治療室』

操体法

最近多くの操体法の書籍が出版されています。
私は操体法を使いません。
ですが本はほとんど目を通しています。
そのなかでももっともお気に入りの本。

それが『操体法治療室』(著者:三浦寛・今昭宏/出版:たにぐち書店)です。

操体法治療室温古堂ものがたり、
操体法による体の捉え方、
操体法の効果を高める秘訣、
絵で見る操体法(実際の操体法紹介)
本書をはしょると上記のような概要です。

温古堂ものがたりでは、
橋本敬三という医師(操体法創始者)が温古堂という診療所で操体法をしている姿が、
いきいきと描かれています。
先生のお人柄がほんわかとしていて引きつけられます。
深みのある体の見立てで卓越した操法の状況。
操体法を生み出した先生を知ることで、
操体法の魅力の一端が伝わってきます。

私はたまたま以下の操体法の本も見ております。
操体法写真解説集』(監修:橋本敬三/編:川上吉昭-出版:柏樹社
という本。
こちらの第一章の「操体法の基本形」では橋本敬三先生の実演写真が掲載。
書籍「操体法治療室」の橋本先生のイラストがユーモラスに描かれています。
ですがお写真を拝見させていただくと先生の特徴を捉えたそのまんまのイラスト。
それにちょっとびっくりしました。^^1

操体法治療室」の{からだの感覚にゆだねる}という副題。
本書は操体法の概要を理解するだけではないことが解ります。
きっとからだを広く研究している方が読まれても、
参考になる本ではないかと思います。

体の歪みについて整体的に語るだけではなく、
「重心安定こそ動作の決め手」、「原始感覚」、
などと患者の動き(動診でみる)や快・不快の感覚を診断や治療に使う。
体の一部分を診ているのではなく、
体全体を見通す目の重要性が伝わります。
体について実際に操体法を使いアプローチをすることで、
その操法後の変化を観てからだについて理解することもできるでしょう。
すると他の体の研究本とは違った切り口です。
それに自分でできる操作法ですから、
後々に役立つことがあるはずです。

創始者橋本先生は操体法を我が物としない方針。
広く使ってもらいたいと考え
特許申請やトレードマークは造りませんでした。
それも先生のお人柄でしょうね。

この本を手にして読むときに、
不思議なほど心が休まります。