初回に「解いてほしいところはどこか?」
という希望を聞くときがあります。
各人、自分の気になるところを挙げます。
たとえば肘であったり背中の一部であったり。
全体的な体のコンディションが整っている方の場合は、
問題なくその希望通りの箇所をケアしていきます。
それで問題ありません。
そして少ないワーク回数で終了いたします。
ですが体の体幹と呼べる部分に、
本人には見つけることができないダメージを受けた箇所をもたれているとき。
そのときにはそちらを優先します。
お客様には自分が依頼したいことをしてもらえないストレスがあります。
だがそれよりも優先させるべき場所があるのです。
体幹部分は一瞬で硬くなるようなものではありません。
数年〜十年〜数十年かけて固めている部分です。
この深層部位の筋肉と呼ぶ箇所。
この箇所を解かずにお客様の言われた箇所のみをケアすることもできます。
カウンターストレインを巧みに使えばそれ以降の痛みは、
それだけでも大幅に低減できるのです。
ですがそれでは数年〜十年〜数十年かけて固めている部分は、
まだあなたの中に存在しているのです。
骨そばだったり内臓の深部だったり。
この固めた部分は動脈を圧迫するので血流を抑止して痛みを麻痺させる。
だから本来は固められた部分自体、
強い炎症を持っている箇所であるのに痛まない。
その部分に深く触れることをしなければ、
より快適なワークとして受けていただけます。
ここで気をつけてください。
体内の深部にできたしこりなどを解放する機会は、
あまりないはずです。
事前に硬くなってしこりになった筋肉は、
通常勝手に解放されていくことはありません。
そのしこりはより大きく堆積されていきます。
もちろんそのしこりが今すぐどうにかなるというものでもありません。
ですが『10年後』『20年後』を考えてみてください!
その体内のしこりとなったものが放置され肥大していくことを。
私の場合、筋肉の柔にもなれば剛にもなる可逆性が失われていくことを、
老化のバロメーターと考えています。
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「なんで自分が解いてほしいところを解かないの?」
「ここは解かなくてもいいの?!」
といわれることもありました。
この質問を聞いて上記の内容を伝えます。
それでわかっていただけないときにはそこで以降のワークを打ち切ります。
きっぱりいいますが、
十分にコンディションが整ってれば、
これほどワーカーにとって辛く厳しいワークをしません。
一定の状態をクリアできるまで待たなければ次に進めません。
それは私を信じていただくしかない。
だがわかっていただける方とそうではない方がおられます。
僕は今を観てそれでよしとは考えられなかった。
体内の芯にある固着したものをとることで、
『10年後を観てほしい!』というワークをしていた。
深層筋を文字通り解くとは、
その意味合いのプログラムを仕込んであるということだ。
その分、重労働なのだ。
現時点痛むトリガーポイントを解けばいいのではいけないと考えていた。
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だがこの丁寧すぎるワークが、
ワーク進行遅滞の状況を作る。
これもなかなかうまくいかない点だ。
そしてワーク半ばでコミュニケーションがとれるようになっても、
体幹ばかりとかれて希望箇所をかまってくれないと
おっしゃられるお客様もおられる。
現状のお体の優先順位と重要度の問題を理解してほしい。
深部のしこりの部分の存在を「ここにありますね」、
と繰り返し指摘していますから問題があるのはわかるはずです。
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だが。。。
深くワークのことを理解して欲しいが、
理解を強要してもいけない。
これもお客様のニーズとして受け止めて、
お客様に合わせて深部は解かないコースに、
僕らしくないが移行していくほうがいいのだろうか。。。
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体の深部までケアすることの意義の深さと、
体の深部までケアすることのワーカーの苦悩。
いろいろと悩みは尽きないものであります。
そして悩みながらも独自の進化も尽きないものです。
そのときそのときの局面ですよね。
斎藤一人さんだったら「そんなの簡単!」。
視点を広げてアイデアが生まれ出てきそうです。
そういう修行も大切なことですよね。^^1
(『斎藤一人のツキを呼ぶ言葉』東洋経済社)