靴をちゃんとはくことが整体の基本


図書館からの帰り道、
中学校の前を通る。


下校する中学生たち。
その子たちの足元を見る。
するとズリズリしながら、
スリッパのようにかかとをつぶした靴を履く子。
またはどう見ても靴がぶかぶかで、
靴の中で足が滑っている子。


それではなかなか勉強もはかどらなくなります。


なぜかというと靴が脱げそうになる状態で履くと、
本人が気づかないうちに足の親指が上向きに持ち上がる。
靴が脱げないように無意識のうちにカバーするのですね。


つま先が持ち上がる歩き方をしばらくするとどうでしょう。
なんだか疲れそうだなぁ。。。


確かに歩行時の疲労はフィットした靴を履いたときとは
比べ物にならないほど負担が残ります。
その負担がどこに出るかといえば、
前脛腓骨靭帯(足首の脛骨と腓骨を前側で結ぶ靭帯)が、
びろ〜んと伸びてきて靭帯の役目をしません。
すると腓骨が外側にずれだします。


そしてその靭帯の支える力を失うと足首のなかにしこりができて、
カバーに当たります。
足首を伸ばす操作をワークのときしますが、
そのときにパキッ!とすごいおとがします。
痛みはないものですが足首の詰まりが強いことを示しています。
この足首の関節の詰まりがあれば、
膝関節も詰まります。
それに股関節にも詰まりおよび大腿骨の内転によるずれがおこります。
脚部という胴体を乗せるための土台がずれれば、
その上のものに影響が及びます。



これは足元がぐらぐらする竹馬にでものるようなものです。


頭の中でそのぐらつきの上で耐える自分を想像してください。
不安定さを食い止めるために上半身は強い緊張状態になっているでしょう?
本人は無意識のうちに行ってカバーしているので、
自分では足首の靭帯が伸びて身体全身に影響が出ているなどとは考えません。
ましてやそこから膝痛や腰痛や頚椎の痛み、肩こりになっているなんて。
そして猫背になり整理痛を強めているなんて。。。


素直には想像できないことですけれども、
靴はもっとも身体の姿勢保持に関係する重要アイテム。
それをないがしろにすると祟られるものなのです。


まずは靴の中で足が滑らないようにインソール(=中敷)を入れるなど、
ご自身で工夫をしてみましょう。
すでにそうなさっているかたは幸いです。


すでに前脛腓骨靭帯が伸びているときには、
整体で靭帯の伸びを即座にカバーすることは不可能です。
そのときは整骨院などでキネシオテーピングを熟知しえいる先生に
サポートを依頼するといいでしょう。
そしてテーピングの仕方を見て学び、
しばらく自分でそのテーピングを行うようにします。


ちなみにヒールが高い靴で、
地に足が着くたびにつま先のほうにずりっとずれるときも前脛腓骨靭帯は
ダメージを蓄積して伸びていきます。


靭帯とはいったん極度に伸ばすと、
筋肉のように元の長さに戻ることは一生ないといいます。
それだけはじめから十分注意して使うべきところなのです。


最後に、腕のよいインソールのカスタムメイドを手がける職人からは、
靴を改善したことで身体の不調が緩和したという話はざらに聞きます。


まずは足元に気を使うこと。
これが大切ですよね。