書籍紹介:からだとの対話


野口体操の本を見つけた。
いろいろと野口体操に関する本は集めているのですが、
偶然に古本屋で見つけました。


野口体操の書籍のほとんどは、
野口三千三先生や羽鳥操先生の書かれたものです。
ですがこのたび手に入れた本は
「ぼくの野口体操入門記」という副題。
野口体操を教える側ではなく、
教わる側からの視点で書かれています。
そのぶん共感できるところも多く、
同時に秀逸な解りやすいイラストが役立ちます。
なにせこの本を手にとりイラストを目にしたとき、
しばらく驚いて体がフリーズしていました。
新鮮な体のとらえ方が印象的。
このイラストを見るだけで、
頭の中でインスピレーションが駆けめぐりだす。
これは誇張した表現ではありません。


野口体操関連の昔の著作物にはあまりイラストを付しているものはない。
『原初生命体としての人間』などは最たるものです。
(注:現在は『野口体操入門』などの写真がふんだんにある出版物もある)
野口先生が『からだとの対話』のイラストをみて、
どのような感想をおっしゃられるか興味あるところです。
ただ野口体操の書籍の文章がほとんど。
そしてその書籍の間にはさまれた印象的な写真が、
その真実を伝える。
そういうスタイルに親しんできた。
なぜか印象的にぬめっとした捉えると奥へ奥へと引き込まれる。
そういう印象があり、そこが魅力。


ですがイラスト化されたものを見ると、
合理的にきっちりと頭の中に納まってしまう。
イメージをふくらませる遊びの部分が減ってしまう。
ですがこれはこれですごく解りやすい。
ぬめっとしたところが減り、
がしっと捉えられる感触がある。


この「からだとの対話」を読んでいて、
野口体操の『原初生命体としての人間』の、
ぬめっとした感じがかえって興味深く感じられた。


残念ながら出版もとの現代書館のサイトで調べると品切れ状態。
再販できないものなのでしょうか。

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(http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-5532-8.htm)

書名: からだとの対話――ぼくの野口体操入門記
著者:阿奈井文彦

体操とはただの健康法ではなく、
からだを動かすことで生き方を変え、
新しい世界の見方を獲得してゆく思考法のことである。
野口体操の実際と、
その元である野口氏の「体液主体説」が
入門体験記をもとにイラスト入りで語られ、わかりやすい。