運動による太ももの状態の3タイプ

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筋肉は運動によりクリエイトされます。


動き方ひとつでいくらでも化けてしまう。
たとえば運動の仕方ひとつ変えてみても、
筋量の変化などに反映されるのです。


いくらでも作り替えられる組織。
より理想に近づけたくなりますよね。

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大腿部中央断面をサンプルにして、
【理想→運動不足→脂肪量増加と筋肉の霜降り化】の3タイプを観察してみましょう。


(1)理想タイプふともも前側の筋肉も適度にあります。
何より特徴的なポイントは、
ふとももの裏側の筋肉の厚みが太いこと。
前側の2倍程度になります。


ちなみにふとももの後ろ側の筋肉で体を支えるようにできております。
だからふとももの後ろ側の筋肉を多用して太くなるのです。


ですが脚部前側の筋肉を利用して体を支えている方や、
歩き方が理想的な大腰筋歩きになっていないとき。
ふとももの前側の筋肉が発達しすぎ太くなります。
ふともも前側の筋肉が太くしこり化すれば、
『骨盤が前傾してゆがめられている』といえます。


ふとももの前側の筋量がつき過ぎれば骨格全体をゆがめます
脚部全体が細い人でも、
ふともも前側の筋量が後側の筋量より多いときはアウトです。
この点は注意がいりますよね。


(2)運動不足タイプ運動不足に陥ると、
脚部筋肉が細くなります。
太ももの後ろ側の筋肉が萎縮します。


ですがこのタイプの方は、
多少の運動習慣を生活に取り込むことで対応できます。
一念発起して運動してみてください。



(3)脂肪量増加と筋肉の霜降り化タイプ


右端の絵を見てください。


一見すると中央の絵の脚の太さと同じですね。
ですが筋肉が骨側に萎縮して集まり、
周りを脂肪が取り囲む状態。
そしてハムストリング筋には、
脂肪が入り込み霜降り状態になります。
筋肉の赤みが減少して白っぽく見える。


□脂肪霜降り状態となる原因として考えられることは、、、
・極度に運動が不足している。
・栄養状態に問題がある。
・脚部(および全身)の代謝が悪化している。


特に注意が必要な方
運動不足気味な高齢者に多いタイプです。
寝たきり防止のため改善が必要です。


ですが霜降り状の筋コンディションでは、
急に過度な運動は厳禁です。
先を見越した運動プログラムが最も必要。


ムリやムラのある運動は、
体調不良を悪化させます。
理想はよく心得た指導者におまかせすること。


だが指導者を頼むと費用もかかり、
互いのスケジュール調整も大変です。


ひとまずは地道にちょっとだけ歩く。
疲れ過ぎないよう注意して継続する。
ここからはじめましょう。


またウォーキングのイメージトレーニンもおすすめです。


実際に歩かずに、
頭の中で理想的な姿勢で歩く姿をイメージします。
ダンサーが優雅にのびのびと歩いている意識です。
姿勢は正され背筋がすっと伸びて首が長く上に伸びる。
手足が十分に大きさを表現しています。
などのように具体的にイメージを思い浮かべます。


筋肉は動くイメージを持つだけで反応します。
そして多くの場合イメージトするだけのほうが、
感覚が鋭敏化し運動神経を隈なく意識しやすくなる。
そして質のよい運動神経の作動パターンを作り上げ、
それから実際にウォーキングに取り組む。
これを繰り返すのです。


私も動き方の試行錯誤のときは、
面倒がらずにイメトレから入ります。
そうしたほうがスピーディーに成果がでるのです。

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運動不足で萎縮した筋や筋肉が癒着した状態を、
理想的な筋肉状態へと押し上げてほしい
これは大切な目標であり願いです。


筋膜リリースなどの手技は、
癒着した筋膜を正常にするもの。
代謝を改善させ運動を容易にできるように引き上げる道具です。


どうあがいても手技施術のみでは、
理想的筋肉へ即移行するものではありません。
ワークは『筋肉を育てる下準備』にすぎないのです。


ですからワークが終わった後も、
自分の筋肉を理想に近づける過程を続けてほしい。


筋肉は運動により形を変え化けるものです。
いくらでも作り替えられる組織。
いつまでも理想に近づけたいですよね。


左側の絵のような理想コンディションを維持促進なさるよう、
お祈りしております!



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■体断面のイメージング作業

経験豊富なワーカーは
筋肉に触れて情報をいただきます。


『ハムストリング筋の厚みは十分。
内転筋が萎縮している。
厚みは十分だが冷えている。
どうやら脂肪の層は厚いようだ』


などと脚の前後を観たり振れたりして、
情報を得ていきます。


その情報を元に断面図を自分の脳内で描きます。


このイメージ化された画像の獲得が、
ひとつの理解のカタチです。


この作業には集中力が必要です。
見えている情報から見えない部分を推測する計算もします。
代数や力学を計算し体を読むための既知の法則とてらしあわせるのです。


一人のワークが終わるだけで、
どっと頭がクラクラするほど疲れます。
肉体疲労ももちろん過酷ですが、
それ以上に頭脳労働も疲れる要因です。