中国医学の伝説時代。
そこに『神農』という名の伝説の人物がいる。
本から読むと実在する人物かどうかわからないが、
興味深いエピソードがある。
自分で百草の滋養や水泉の甘苦を調べたそうです。
このときに神農は一日に70種もの毒にあたった。
それで苦しまれたのです。
その苦しんで『う〜〜〜、う〜〜〜、う〜〜〜。』
と唸り声を上げる神農の絵が描いてあり痛ましい。
後にこの結果を人々に知らせました。
『神農本草経』を書かれたそうです。
漢方薬の始まりはここから。
百草の効能を体感で計り知るという感性が必要です。
五臓六腑の状態変動を理解して、
百草の摂取後の細かな身体変化を観察。
それを記録する必要があります。
実にリスキーな人体実験ではありませんか。
本人の体がよほど強くなくてはなりません。
このような人物の礎により後人の私たちが、
幸せを享受することができているのですね。
医学的な多くの書籍や知識はなみなみならない先人の苦難の末、
つくられた貴重な宝物です。
現在はその知識があふれてデータ化したものを情報処理にかける。
合理的なやり方ですが一歩祖に省みて先達の努力の仕事を振り返る。
その彼らの成果物を使うだけでは味気なく感じる。。。
彼らのようなリスクを我が身に感じても人を幸せにしたいという気持ち。
その精神を見習い学びとることで心が育つ。
何かを創始すれば不測の危険が襲います。
その危険を甘んじて受ける勇気があれば、
神農の気持ちと通じ合うでしょう。
そういうのもかっこよくていいな、
そう思うこのごろです。
余談ですが、
神農(しんのう)を逆さ読みにした『ノーシン』というお薬がありますよね。
素晴らしいネーミングですね。^-^)