コアを微動させて末端までその波を送ること

腕を動かすとき。
注意深く観察して欲しい。


肩甲骨を固めて動かないように固定している人はいませんか?
そして手先ばかりで動こうとしてしまっていませんか?
自分では気づかないうちにそうしていることが多いものです。


こんな使い方で長い年月が過ぎると肩がかちかちに固まりだす。


あたかも肩は腕を動かすとき固定していなければならないと体が判断しだす。
そんな癖を身につけてしまうのです。


体の中心部分『コア』がお腹辺り(下腹部)にあるとします。
または腎臓辺りから手足を動かす中点を求めると考えたほうがしっくりくる人もいるかも。
いずれにせよ丹田と呼ばれる部分を中心に据えて、
手足の先が末端というイメージを思い描いてください。


本来動きを造り出すには中心部分が固定されるのでいけません。
コアの部分が微妙に回転したり伸び縮みして動くもの。
腕ではそのささやかな動きが波として背部の筋肉に渡り、
肩甲骨に達していく。
それから肩部を経由して上腕部を通り前腕へ。
そして手先まで波のような力が伝わるのです。


たとえればコアが鞭の持ち手で手先・足先が鞭の先っぽ。


だから途中の肩甲骨が硬く肋骨と癒着すれば、
いつも小手先だけで手を使いつづけることに。
体の体幹の太い筋肉群の筋力を腕は使えない。
腕の細い筋肉でやり繰りしなければならない。
いずれ手の腱は強張り骨と癒着を起こします。


呼吸が浅く肩が不自然に上に引き上げられ、
常に力みが抜けない状態となる。。。

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この状態を改善するための方法があります。


体のコア部分の動きを他動的に造り出して末端部分をその動きに従わせる。
ポイントは関節のかみ合わせ状態を把握し良好な状態を維持する。
関節の間に挟まっている軟骨組織のクッションを適切な位置に戻す。
肩関節や肘関節、股関節や膝関節など可動域が広い部位は
関節可動に関わる筋肉のひとつひとつを吟味しながら動きを造り出す。
腕を回すときの微妙な角度や力加減は計算されていなければなりません。


ときにはそれで関節周りについた筋肉が
あたかも巨大な軟骨組織にでも変ったように
ごりごりという音を立て出すかもしれません。


そのような過程を通ることで大幅に肩関節や股関節などの大関節を解く。
これだけでも体全身に及ぶ筋硬化がゆるまる変化が感じられると思います。
同時に新たな手足の使い方を見つける機会にもなります。