フォーム(型)について・・・

先日ワークをしているとき。
横隔膜背側でくっきり上下分離している様子が見えた。
それにより呼吸が浅くなり全身に硬化が著しい。


でも前回ワークをしているときに、
その部分はしっかりとリリースしている。
なぜこのような状況になっているのだろうか。


答はその方の動作にあると感じました。


いろいろお話を伺うとそのヒントにであった。
ギターを頑張って日々トレーニングしているということ。
そのギターを弾く姿勢に問題があるのではないかと感じた。


2〜3質問をしました。
そして改善して欲しい点を指摘して説明しました。


コアから肩を通り手先まで力が伝わる姿勢かどうかの違いを理解してもらう。
この何気なくしていた構えが、
『活きた手』か『不自由な手』なのかが把握できればいい。
不自由な手を長時間続けてギターに体がカブっていて、
横隔膜部分で折れ曲がっていた。


ギターをかかえるときの手の使い方が小手先かどうか。
そしてどうすれば芯の入った手さばきか。
そこまでの解説はなしでギターを習っていたようです。
とりあえず自分の思うように弾いていた。
それで固めたという面もあるようでした。


ワーク進行に関わることなので、
改善をと願って必死に説明した。
このような事がありました。

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フォーム(型)が正しいこと。
フォームが活きていること。


それは体の使い方が見えてくると、
ある程度判断できるようになるようです。
瞬間的に活きているかどうか感じ取れる。


ダンスを観ても感動すると、
『あぁ、あれはレベルが高いな』とか思わず口に出る。
自分がおこなっている技芸以外のジャンルについても、
なんとなくわかってくる。


フォームのなかになんらかの意味をくみ取る表記があり、
それを読み取ることが感覚的にできるようになるからか?


ただフォーム(型)をことさらに正し続けるように指導すると、
そのフォームができないことに苦悩が堪えないこともある。
先生が自分のできていないフォームを見て幻滅するのでは、
と気になり出してしまう(繊細な人は特に)。




ですが他人が自分の感性より前に入り込むことは、
本質的にはよくないことではないかと思う。


自分にふさわしい型を見つける感性を発揮する。
自分のこれからおこなう動作をより効率よく、
そして素晴らしい成果を魅せられるようにする。
自分の内側の内部感覚の探求心(=感性)を研ぎ澄ませて、
自分で見つけることをベースに据えるならばまずはここから始まる。


そのとき『イメージ』を利用すれば効果的に内部感覚を広げられるだろう。
イメージを豊かにすれば制限もなく追求心が飛躍する。
そして本能的に勝る型を自分で見つけることができる。


ボディワーク系の自分の動きから感性を豊かにすることが好きな人は、
このステップを楽しんでいる人たちだ。


そしてこのベースが先行して存在してから、
先生の指導や指示という知的なサポートは成果を加速させる。


ギターを弾いているときに、
だんだんと体が硬直していき呼吸が浅くなる。
そのような内部感覚があるときには
より楽な型を見つけられるようになれば理想だろう。


意拳という中国武術は型のない拳法だといいます。
型を重視するのではなく動くときや修練のときのイメージが大切だという。
・・・ですがね。
実際に意拳のDVDをみると完璧なほど優れた堅牢でいて鋭利な型がある。
意拳は型を重視して練習させてはいないのですが、
結果的にイメージを肥沃に運用して自分の内側の感覚や感性を研ぎ澄ませた。
その結果、
私が見て構造的に非常に優れた型がそこにある。
まさに意拳は型練習はないが自分なりの型を探し求める拳法なのですね。


型練習をしないのになぜこのような型ができあがったのか不思議に思えた。
だがこれは外側から固められた型の作り方ではなく、
内側の感性でつくられた型なのかもしれない。


型練習を正確にきっちりおこなうというやり方も優れていると思う。
どちらかといえばこちらの方がわかりやすい分入りやすい。
私も太極拳の練習ではきっちりこのフォームを大切にする。


うまく言葉で表現できないのだが、
自然に自分の内側から型が生まれるような自然体に体が近づくこと。
それも求めていきたい道なのかもしれない。