『一歩だけ』踏み出す事に意識を集中すること

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昨夜、NHKでスガ シカオが出演していた。
デビューするときの話を本人の口から語られていた。


スガ シカオの歌には、
人の内面をえぐる鋭さを感じる曲がいくつもある。
まさに自分の傷ついた繊細な内側を詩にしていた。
聞く者はそれに共感たのですね。
彼の何に共感していたのかが、
彼の今までをかいま見ることができ、
少しだけ理解できたような気がする。


スガ シカオは、
マチュアでバンド活動をしていたときはプロを目指してはいなかった。
プロになった友人の大変さをよくよく観ていたから、
スガは一般の会社に入社して活躍した。
会社でいくつもの企画を手がけ安定した仕事で充実。
だがそんなとき直感で自分は音楽で飯が食えると思った。
そこでデモテープを音楽会社に送りまくったが芳しくない。
諦めかけたとき一人の音楽プロデューサにお前はいけるよ、
という言葉をかけられそれから数カ月後会社を辞めていた。
貯金で音楽機材を買う。
後手持ちが50万円。
すぐお金を手にできる事もない。
たまたま父が倒れた事で父が行っていた会社を引き継ぐ事になった。
だが給料がでるほどの会社でもなく電車賃が出ればいいほどだった。
父の会社を切り盛りして千葉の自宅に帰ると
もう疲れて創作活動をすることもできない。
買って帰った白米におかずもない。

・・・。
そんなとき暗い事を考えると止めどなくそちらに引き込まれる。
才能があるライバルが多くいる事に冷静になり気づきだす。
自分が日本の音楽を書き換えてやるというような勢いは消える。
そうしたときどうしたか。
まずは一歩だけ足を進める。
ただそれだけをするしかない。
歌詞がぜんぜん浮かばないと苦しむのではなく、
まずはワンフレーズ分の歌詞を書くだけでいい。


そう考える事にしたそうです。


亡くなった友人や父親のことを考えて、
二年間曲がつくれなかったときもあった。
そのときは以前つくった曲を手直しして発表した。
でも今は『一歩だけ』踏み出す事で頑張っているという。


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心が疲れてしまい身体や頭が言う事を聞いてくれないとき。
生産的でなければいけないような気がしてしまう。
何も生産していない自分の姿を省みるとやるせない。


私もそのような時期を過ごした記憶がある。


私も去年一年、実質無職で研究に没頭した。
ワーカーがワークをしない非生産状態を過ごす。
社会との接点が希薄だった。
果たして今行っている事が人に役立つだろうかと、
常に不安でした。


いろいろとやりたい事を抱えて選んだ期間。
ですが思ったほど前進できていないあせり。


そんなときすべてを一度にしようとせず、
今日も一歩、明日も一歩と重ねていくこと。
一歩に意識を集中する事が大切なんですね。


結局学んだ事はカメのようなマイペースで、
一歩を進むしかないということでした。

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最後に。
インタビューの中で印象的だったスガの言葉がある。
『自分は人と話す事は上手くはない。
でも音楽をする事で人と付き合う事ができる。
だから音楽を辞める事は考えられない』
そのように言っていた。


私にも音楽という言葉をワークに変えれば当てはまる。
仕事で活躍することで友人も増えて幸せになるようだ。