『休め!』の姿勢の勘違いが体を蝕む


一般的には楽な姿勢といわれるとどんな姿勢になるだろうか?


ぴしっと白樺のようにまっすぐに背筋が伸びた姿勢は
疲れると思われるのではないか?


たとえば整列するときの『休め!』『きおつけ!』の号令の、
『休め!』の片足を前にちょろっと出した姿勢がらくだと思ってはいないか?


一般的に楽な姿勢と思われる状態は、
アウターマッスルに負荷をかけている状態のことと認識されているようだ。
つまりからだの外側の筋肉の体の前面や後面または左側や右側などの片側を
『休め!』にさせたほうが楽だと感じているのではないだろうか?


実際には体の前後左右どちらかの片側のアウターマッスルに負担をかけると、
インナーマッスルや骨で体を支えるよりもずっとずっと重労働になるのです。
体を立てるときに疲れ知らずの骨を垂直にして支える負担を任せたほうが、
ずっと筋肉にかかる負担量は少なくなるはず。
それはインナーマッスルで体を支えていることに徹した状態。
インナーマッスルを活かせば
骨は反ったり曲がらないできれいに立てられるのです。


だから『休め!』の号令じたい愚考はななだしいです。
アウターマッスルという細い筋肉を過労させては休めないからです。
なのにそれが『休め!』の姿勢に使われているというとはなはだ誤解を受ける。


その『休め!』の姿勢の延長線上で、
楽な姿勢で座ってデスクワークをするならば、
だらっとした姿勢をキープした感じが休んでいるように感じてしまうのです。


ほんとうは骨と起立筋などの抗重力筋や大腰筋などのインナーマッスル
働いた状態こそが機能的な休めの姿勢です。


そう思わせないように誤解をあたえている。
それが一般で考えられている『休め!』の姿勢なんです。


このような誤解が年月をかけて体を病へと蝕みます。
かならずそうなります。


ちなみに機能的に骨とインナーマッスルで体を支えた状態とは、
宮本武蔵の剣の構えの自然体も参考になります。
剣豪が命のやり取りをして感じ得た姿勢です。
だからこの姿勢へと体を仕上げていくのは容易ではないものがあります。
長年『休め!』の姿勢をだらっとした姿勢と勘違すると修正が難しくなる。
どのような身体の状態が正しいのかが分からずにがんばって運動しすぎるのも、
嫌なところのアウターマッスルを硬化させますので注意が必要ですよね。