人体発生時は腎臓は骨盤臓器だった

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腎臓
胚子発生中に3組の腎臓が連続して現れる。いずれも中間中胚葉に由来している。最初に現れる腎臓は前腎で、ある種の魚類ではこれが永久腎になる。
次に現れるのが中腎で、両生類の永久腎である。哺乳類の永久腎である後腎は一番最後に現れる。
(『フィッツジェラルド人体発生学』より)
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ということで腎臓は中間中胚葉に由来するもの。
すなわち永久腎は仙髄の高さの中間中胚葉から発生します。
だから最初は骨盤臓器。


その骨盤臓器が徐々に腎臓の本来の位置へと上昇していく。
これは生殖器が発生時は胸辺りにあるのが下降するのと逆。


人は腎臓ひとつとってみても、
前腎→中腎→後腎のながれは
過去の魚類→両生類→哺乳類という進化の過程を含んでいる。


人体発生の成り立ちからみていくことで
人体を余すことなく使う工夫ができる。


中国武術などを学んでいると、
腎臓が立っているかどうかを
よく指摘されることがあります。


腎臓は人体発生当初に骨盤臓器だ。
今でも腎臓と骨盤は互いに影響しあう関係が成り立つ。
腰部を美しく上方へ伸ばし腎臓を立てると骨盤も立つ。
そのような道理が成り立つ。


そう考えると中国武術の身体操縦法が奥深く感じる。
まるで人体発生学を熟知して応用した動きが含まれている。
そのような見方をして分析してみるのも楽しいものですね。