首を急速に曲げてパキッと音をさせてはいけません

身体均整法という整体術の一流派があります。
そちらで有名な黒川 瀞雄先生の『秘蔵・黒川ノートと身体均整法』という本があります。
内容が濃い700ページを超える辞典のような名著。
一般の方々は興味を持つこともない専門書です。


このような本に目を通すと、
つくづく自力で観察してわかる範囲を超えた知識があるものと実感する。


今までは自分が問題に対応できていなかったのは、
世の中に対応策が存在しなかったわけではなくて、
単純にやり方を知らなかっただけだと認められる。
良書に触れて勉強してレベルを上げる必要がある。


たとえば頚椎全体を調整する方法として、
第七頚椎と第一胸椎の間の第八頚髄神経を整えて自律神経を調整すれば、
自然にその上部の頚椎全体の症状が改善されるという。
この場所が自律神経系全体に与える影響が高いことは、
以前読んだ本に書かれていたので知っていた。


だから頚椎調整のカウンターストレインでは、
その部位が調整されるように計算しています。
それにより調整成果はあがっていました。


だがその第七頚椎と第一胸椎の間の神経のメカニズムに
直接考えが及ぶようになったのはこの本のおかげですね。


頚椎を急速に左右にねじる動きをさせることでこの部位を緩めるられるが、
この神経にダメージを与えて異常を外圧で生じさせると、
全身に影響を与え異常を引き起こすのです。
だからよほど計算しないと逆にこの第八頚髄神経に引き連れやずれなどの
ダメージを与え悪化させる傾向があるのです。


これは首の周りがつらくって自分で左右に頭を傾げたり振ってみたりして、
パキッと首の付け根を鳴らするのも逆に第八頚髄神経に悪いって言うこと。
一瞬は気持ちよい開放感があるだろう。
だけど思慮が欠けた関節部のグラインドテクニックは、
多くの場合状態の悪化を加速させる傾向が強いのです。
首の筋肉群は細く繊細な筋肉が多く集まり動く精密機械のような仕組み。
そのようなところは繊細さに見合っただけの計算づくで操作しなければ!
そう考えておいたほうが賢明であろう。


これからは自分で首を左右に急速に傾けてパキッと言わせている人には、
「第八頚髄神経がダメージを受けてしまうから、やめな。
そんなことをしてると頚椎全体がゆがむだけじゃなく、
体全体にも悪影響が出るんだよ」
といえばよいんですね。^-^;