『もとの姿はかわらざりけり』

神社に短冊状の「生命の言葉」が配布されています。


『晴れてよし曇りてもよし富士の山

もとの姿はかわらざりけり』   


山岡鉄舟



今月の3月は山岡鉄舟が、剣の悟りを得たときに詠んだものです。
人はとかく自分の幸不幸を周囲の環境のせいにしがちなのですが、
本来あるべき自分をただそのままにいきていけばよいのだ、
平常心これが道である、という意味だそうです。


富士の山を通し万象に宿る普遍を説いているのですね。
晴れているときの富士山も曇っているときの富士山も、
もとの富士山の姿はどちらも変るものではありません。


禅の修業をしておられた山岡鉄舟
自分を虚飾なき澄んだ眼で見抜き、
晴れても曇りでも変らないゆるぎない普遍を悟られた。


私どもも常に「よし」といえる自分を見つけられれば、
些細なことで一喜一憂せずにすむことでしょう。


私などは特に自意識過剰で緊張しやすいタイプです。
そのため憂うことがあれば素直に落ち込みます。


山岡鉄舟が詠む「もとの姿」の「もと」の意味を深く考え見定め、
心の浮き沈みをそぎ落としたとき、
憂いなどの感情の大半が消滅して
こころが晴れやかになるものと思えます。


禅道と剣の道を歩んだ鉄舟の気迫とゆるぎなさが伝わってきます。
鉄舟は心で体を動かすようになったら、
どんなに体を動かしても疲れないといいます。
剣の道で鬼鉄と呼ばれ恐れられた鉄舟が弟子にそう語っていたようです。


こんな気持ちでワークができておれば、
心も体も疲れにくくなるはずですよね。
それに技量以上の成果が生まれるはず。
信頼していただける人格があってこそ、
施術を任させていただけるのですから。