関節マニュピレーションテキストを応用して


関節マニュピレーションという、
関節周囲の筋肉が硬化して可動域が狭まった状態を改善する方法がある。


たとえば肩の関節を緩めるときのひとつの方法といえば、
状態を側臥位とし上面となる腕を頭上方向へ挙げて固定。
固定部位は肩から少し下あたりでしっかりと動かないようにする。
それから上面の上部胸郭部分を適宜状況を見て
足方向へ動かしたり頭部方向へ動かすなどする。
そうすると要領よく肩関節が緩んでいく。


このように多くの場合は
目的の関節を挟んだ状況で二点に力を加える。
一方は固定させて動かないようにして、
一方は固定させた関節をまたいだ部分を動かす。
そのような感じ。
これは他の多くの体の関節にも応用が利く。
股関節には股関節を緩めるための固定と動きを加えればよいし、
膝関節には膝関節様の同様の考え方に基づいた方法があります。


そしてここで申し上げたいのは
「関節マニュピレーションを学ぼう!」というだけではなく、
その考えを応用して発展させられないだろうかということです。


動きが悪くなっている関節部位を挟み
一方は動かないように固定させ
一方は動かすという手技なのですが、
この動かすときの動きの方法は
シンプルに関節が動く解離方向やねじれ方向やずらし方向などに
目的の動きが悪い方向のブロックをはずす方向へ向かい動かす。
ご存知の方はおられるかもしれませんがAKAならば、
クイクイッと感じで動かす部位を揺らすように動かします。


でその動かすやり方をもう少し軽いながらも大胆にしていく。
持ち上げた体の部分の重さを繊細に感じ取り持ち上げ動かされると、
徐々に無抵抗に脱力していくような状態になりリラックスしてくる。
解剖学的な知識として動きにくい関節がどの関節や筋肉に関連し、
その動きの中心はどこから始まるかとかを伝えていく。
脳内イメージで自然な動きをしないようなプログラムが働いていると、
確実に筋肉の偏った面や部位が硬化萎縮して拮抗側は虚弱化していく。
そのようなときには脳内にある動き方のヴィジョンを書き換えるべき。
ですがなかなかそのうまく動けない動きに慣れてしまうと
その状態が自然に思えてしまうため書き換えが難しくなる。


そのような状態を体の隅々が連動した正しい動きを
何度も何度もその本来あるべき自然かつ機能的な動きを
他動的に作り出して経験させてあげるとよい。
次第に他動的におこなわれた動きが力みない状態で心地よく感じられる。
すると動き方の癖をリセットするということにつながります。
悪い動き方の癖を脱するのは至難の業ですから。
それがうまく乗り越えられてしまうのは、
すばらしいことです。


私がはじめてそのことを目の当たりにしたときは、
『奇跡じゃないか?!』と感動しました。


関節が恒常的に硬い状態の部位は
機能性を無視した関節の動かし方をしている証拠です。
そのような箇所を見つけたら「関節マニュピレーション」の本を読みながら、
それを他動的に改善していけばよいのでしょう。


一方を固定させて動きの遊びを消し
一方を少し大胆かつ繊細に繰り返し動きを身につけるまで動かしていく、
というように。


ただ「関節マニュピレーション」の書籍は専門書で、
改善例があるとしても一般の方々では自ら実行しにくい。
それに問題のある関節数が多くあるときには、
このアプローチでは大変な期間がかかります。
ひとつの関節をよみがえらせるのにも
多くの場合は長い時間が必要ですから。
もしそのような専門家にたのめば時間分だけの費用がかかるわけです。
それが難問となるでしょう。




穏やかな散歩日和でした。