■2008/04/23 (水) 『大腿筋膜張筋は解くのが難しいらしい』か---1


以下は昨日書かせていただきました
『いつもの筋膜マッサージで成果がでにくいときに』と並ぶ内容です。




メールでちょっとしたお問い合わせがありました。


『大腿筋膜張筋は解くのが難しいらしい』と。


大腿筋膜張筋っていう筋肉が殿部の脇にあります。
脚部の外転、内転を補助して、股関節の固定筋としての作用が最も重要です。
弱化しますと内反股の原因になります。
短縮すると外反膝、骨盤前傾の原因となります。
(オーソペディック・マッサージの本より)


で筋膜マッサージを直接するとけっこう大変なときがあります。


どんなことが大変なのかをちょこっとだけ観てみます。


        • -


大腿筋膜張筋は
硬くなりすぎているとき筋膜マッサージでは激痛がでてしまう。
大腿筋膜張筋が硬いときには
その直下にある腸脛靭帯が鬼のように硬くなっています。
これがまた硬化短縮して殿部の脇の痛みを助長している。
だからここも解かないと。
腸脛靭帯は靭帯です。
筋肉よりも筋線維ばかりの部位。
硬くなると骨と同じほどの硬さになり
外側広筋を大腿骨に向けて圧着させる。
外側広筋の大腿骨に密着している筋膜部が大腿骨骨膜に癒着する。
骨膜に癒着している部位を筋膜リリースではがすと激痛がでるときがある。

        • -

上記の文章で書くと、
解剖学的知識がないとわかりにくいものです。


でもなんだか解きにくい部分というのはイメージがつかめるでしょう。


私がみた筋膜マッサージ系のテキストでは、
患者が側臥位になり殿部脇を圧して解く方法。
手のひらや肘を使って解きます。
肘を使うのは殿部脇の筋膜が寄り集まり太い筋となり硬い部分になるから。
だけどこの部分を解くときには注意書きとして
『患者が痛がらないように解く』とある。


でも強力な癒着が深部まで連なる部分で軽く解くだけでは解けません。


軽い痛みがでない程度の圧で
解けるまで繰り返し長期にわたり通ってもらえばよいのだろうか?
ただし軽くといてももともとこちらの筋肉が硬くなりやすい方は、
こちらを使いすぎて固めるパターンを身につけているため
数時間歩けばまた同じ程度の硬さが戻ってきてしまう。
だからこれですと延々と時間と労力がかかるだけです。