椅子の傾斜による脊椎のゆがみ


ある大学教授兼医学博士が大学で教えていた。
教える教室はいくつか点在しているのだが、
ひとつ興味深い訴えを生徒たちから聞いた。


ひとつの教室が生徒たちの腰痛や肩こりを呼ぶという。
まるで悪魔にたたられたような教室ですよね。


そこで教授が調査に乗り出したところ、
『椅子の傾斜』が問題であることがわかった。


他の教室よりも腰痛などが起こる教室の椅子が
左右高低差があるものが94.5%。
左右高低差は0.3〜0.8センチも。
ちょっとみると0.3センチなんて、
そんな問題じゃなさそうに思える。
だけど生徒が椅子に腰掛けたとたん、
0.7〜1.33センチもの左右高低差が増えることを突き止めた。


でまだまだ1.33センチの左右高低差程度じゃ、
そんな影響がなさそうに見えるのだがといわれそうですね。


でも私が見た書籍には椅子には
座り背中側を裸にした男性のモアレ撮影写真が掲載されていました。
すると水平の座面の椅子に座っていると
背中のモアレ模様がきれいな等高線を描いている。
つまり左右対称の等高線がきれいに並んでいます。
ですが右側が1.5センチ低い椅子に座っているモアレ写真では、
その等高線模様は右側の殿部が縮みこんでしまう。
たった1.5センチの左右高低差があるだけで、
背中の等高線が汚くゆがんでいる姿が見えます。


生徒たちを苦しめている原因と思われる犯人は
『左右高低差が1.33センチ程度のずれがある椅子』でした。


それからそちらの教室の椅子を調整することにして、
魔の教室から腰痛や肩こりの苦しみを訴える生徒が
幸せになりました。^-^)



不具合のある椅子に座ると脊椎が側弯して苦しむ大人たち。
でもそれ以上に影響がでるのはまだ体が柔らかい児童たち。
学校で座る椅子には座面が水平にならないものもある。
そのような椅子に座っているだけで柔らかい脊椎は側弯します。
長い間その椅子に座れば脊椎が側弯した状態で固定されていく。
そして気づかないうちに『姿勢をゆがめる椅子』により、
以降ずっと体の不具合を抱え込むことになるのです。


「たかが椅子」ですが「されど椅子」です。


オフィスワークをしておられる方々にも、
座面が水平の椅子に座るかどうかで脊椎の側弯化や
仕事への集中度や疲労蓄積速度などが雲泥の差です。


やはり地面に対して正確な水平状態を保持できる椅子がいいですね。


出向先で椅子と机を先方にあてがわれてしまい、
左右高低差が1.5センチある椅子だが変えてくれるよう頼めない。
そのような状況があってご苦労されている方々も大勢おられると思います。


そんなときはせめて最低1時間に一度はトイレにいって
腰や首を伸ばしたりぐるぐるまわしたりするようにしましょう。
それにご自宅で愛用の椅子の高低差チェックも怠らないでください。


姿勢を正すエクササイズをするのも大切ですが、
姿勢をゆがませない椅子に座りましょう。
その注意は元から悪を断つことになりますから。
一度セッティングをすればずっと体にやさしい。
とても効率のよい姿勢矯正法といえるでしょう!