エクササイズでは過ぎたるは慎むべき

一昨日メールをいただいた方へのお返事の転載。


もしかすると他にもエクササイズに取り組まれている方で、
参考になることもあるかもしれないと考えて転載いたします。


メールをいただいた方の状況説明は非常に詳細に書かれていましたが、
この場では簡単にはしょりますと以下のように。


「正座で座り寝」というエクササイズをなさった方からメールをいただきました。
(ありがとうございます)
概ね「正座で座り寝」の成果はでているものの、
エクササイズ後に体の異変という問題がおきる。
私の日記『2008/05/07 腰の骨がずれると首が凝り始めるんです。』をみて、
「骨盤と喉」の関係でおかしなことが起きているのではないか?
と推測しておられるとのこと。


それに対しての私の返事です。

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はじめまして。
ボディワイズのすずきと申します。


私の日記をお読みいただき感謝です。m__m



「正座すわり」をし体調のかしこのよい状態へとなったが、
なんだか不具合もでているような気がする、
とのことですね。


はじめにお断りいたしますが、
お体をチェックしなければ
適切なことを伝えることはできません。


だから参考までに僕の推測をお話しするにとどめて
受け取っていただければと思います。


ここで話がずれるように思われるかもしれないですが
「インソールによる矯正」を考えてみます。


たとえば右足と左足の脚の長さの差が
右足が3cm短い人がいたとします。
ならば左足の長さに同じにするため
右足を3cm長くするように靴の中敷に厚みを持たせて
矯正をすればいいと考えるでしょう。
そうすれば左足が1メートルならば
右足も1メートルになって骨盤がゆがみません。


ですがプロのインソール職人は、
いきなり右足に3cmの厚みをつけることないのです。


歩くときには左右の脚部の長さが同じになり
自然に骨盤が正しくなり歩きやすくなるんです。


だがいままでその人の体の中では
左右のバランスがゆがんだ状態でやってきた。
それが何年も続いているのでその状態がその人の
『いつもの安心できる状態』なんです。
恒常性という考え方をきいたことはありませんか?
体温が昨日は30度で今日は38度になってとか
体の状態がいきなり変ると変化に耐えられなくなる。
急激な変化は不測のリスクを被る場合があるために
体は恒常性を保ち、
変化は徐々に安全性を確かめて受け入れていくもの。


だから結論としていえば右足の長さが3cm足らないから
3cm足したインソールを造って患者に履かせたら
多くの人が実際に体調不良を訴えました。
腰痛になったり、膝が痛くなって立てなくなったり。
インソールを考案して製作した創始者には
様々なネガティブな事象が報告されています。


それは体の恒常性を無視して過剰な矯正を加えた
「過矯正」を加えた状態です。
その場合には元通りになろうとする反動が押し寄せる。
どんな形でそれがくるかはわかりませんが、
一番不安定で弱いところにでることが多いようです。


だから通常ならばインソールで矯正を加えるとき、
新たな工夫を加えられました。
20%未満ルールのような考えで矯正したのです。
20%未満のインソールをつくりある程度脚の長さが
左右改善したら新たなインソールを20%ルール
作り直します。
それを幾度か繰り返すため、
患者は徐々にゆるい岡を登る程度の変化しか感じず
肉体もその変化を受け入れるため自然に改善が積み重ねられま
す。
すると腰痛や肩こり膝痛などの報告が激減しました。


人は長年積み上げてきた体内のしこりや老廃物は
負の遺産として筋肉や腱や靭帯などの物質が変位してます。
長年かけて積み上げたものはけっこう体の中に
いろいろ奥に問題がある場合が多いのです。
私どもはそのようなものを事前に察して
それを負担少なく吐き出させるような手順を熟知するよう
日々訓練していますためそのポイントをしっています。
それは同時に手順やポイントを知らずにやりすぎると
体の状態がよくなるどころか不測の人為的な不安定さ
を強いてしまうことになる大変さもしっています。
人為的に造られた矯正のアンバランスを解くのは
自然に姿勢のずれなどで体が変位した人を解く以上に
体が読みづらくなり手間隙がかかるしリスクも増します。
腕がある施術者じゃないと治せないということもあるし。



できましたら
あなたが「正座で座り寝」をして不都合を感じるならば、
過矯正を自分の体に課しているのではないかと
疑ってみてください。
その場合の対処法はインソールの20%未満ルールに沿い
「正座で座り寝」をするときに背中の下に20%ルール
沿うような厚さを考慮したクッションをいれること。


功を少しずつ増やしていくように。
時間をかけて続けてみてはいかがでしょう。


それで続けるならば過矯正のリスクは減少するはずです。


以上のことを参考にして
やり方をチェックしてみていただければ幸いです。

                    • ここまで--------


上記解説の補足ですが、
インソールを作成する職人さんが変れば
「20%未満」のルールは「15%未満」になったりと変りますから。
その点は各職人さんの経験則がいきる世界ですからね。


またエクササイズをするにも、
自分の肉体状況を観察し読めなければ過剰かどうかわかりません。
それは現状では数値化できるようなものではなく、
それに体の一部の患部のみを見ているのでは深いことは理解できていません。


私はわざとそこで取りやめずに過剰に動きまわり、
疲労や苦労を背負っていくことで、
正面からその不具合と向き合い問題を解決して進んできました。
私は肉体の構造や痛みの原因や心理的恐怖のマネージメントをしています。
それならばそうしたようなことをするのも悪くはないかもしれません。
つらくて仕方がないこともありますが、
多くの学びを得ることができますから。


ただ一般的にはこのようなことをしてはいくら丈夫な人でも命を縮めます。
だから過剰な肉体に強い疲労や痛みやその他不具合が出たときには、
一端取りやめてみたほうがいいと思います。
もし状況判断のつめに甘い点があれば
自力や他人のアドバイスをもらい納得のいく理由を探し出すように。
そのような仕切り直しをしてから
辞するか再度改善を施して取り組むかと判断する。


それは賢明なことと思います。