深層筋までのリリースを体験すれば・・・

たとえば背中の筋肉を大雑把に分けて考えると、
深層筋と中間筋と浅層筋のように分けられるでしょう。


浅層筋を一部あげれば、
僧帽筋や広背筋や菱形筋やその他。


中間筋を一部あげれば、
腰筋膜や腰腸肋筋や胸最長筋や胸腸肋筋や頸腸肋筋や頭最長筋など。


深層筋を一部あげれば、
横突間筋や棘間筋や横突棘筋(半棘筋・多裂筋・回旋筋)や頸部の深筋群や
便宜上で前頸部筋と大腰筋など。


ただ深層筋よりも下層では、
黄色靭帯や横突間靭帯や棘間靭帯や縦靭帯が脊柱を取り囲んでいる。


これらを観察し単純に考えれば、
人体とは浅層筋層筋・中間筋・深層筋・靭帯などのように、
外側から内側に向かう多層構造になっていることがわかる。


このような多層構造化した筋肉や靭帯などの
柔軟性ある軟部組織を解くときに求められるのは
靭帯という最下層の軟部組織まで解放することです。
ここまで解放されたとき
その人の本来持つすばらしい生命力が取り戻せるように感じます。


筋肉が緊張は
・関節可動域の制限
・血液やリンパ液などの体液の代謝不良
・筋肉の緊張が神経を牽引して緊張させ誤作動させる
・経絡の陰陽バランスを崩す
などの問題を引き起こすことがあるからです。


それぞれのお体の状態により、
浅層筋層筋・中間筋・深層筋・靭帯レベルなど、
どのレベルまで筋硬化が進んでいるかは差があります。


浅層筋層筋レベルが硬い人ならば、
一般的なセルフマッサージやリラクゼーションをメインにした施術や
ストレッチなどのエクササイズで、
自分の体を整えることは可能です。


深層筋まで部位の硬化が進んでいるならば、
筋膜層を圧着させるという形で大きな負担のエネルギーが蓄積している。
それをうまく追い出して改善するには相応の技術やプランが必要でしょう。
この負担のエネルギーは年月の経過量にほぼ比例して大きくなります。
蓄積量が多くなりすぎると代謝不足が追い討ちを打って筋硬化が進みます。



そこでとある初回のお客様が
「先月に私は○○で深層筋まで解いてもらったけど、
そんなに体の状態はよくならないしすぐに戻ったんだけど」
とおっしゃられました。


私がチェックしてみると、
アレルギー症状が強く脊椎の側湾傾向と漏斗胸など様々な
多年にわたる負担蓄積があるように見えました。
浅層筋群が相当の硬化があり肥大しています。
お体の不調が幼少時より30年以上ずっととのことで、
深層筋群にも相応の負担蓄積があるように推測いたしました。



そうなるとたとえば背中の脊椎周囲の深層筋膜に分け入ることは
施術者にとってかなりの労力が必要になると思われます。
また浅層筋群は悪い姿勢を続けたり過労がたたれば数週間せずに
容易にがちがちにかたまってしまいますが、
深層筋群はしっかりリリースされていると
深層筋部分に熱を持ち筋膜の癒着を溶かす力の強い動脈管が
活躍して自力で筋膜の癒着を溶かすサイクルに乗りますので
なかなか固まりにくい。
精神的な強烈なストレスを感じているときは深層筋を
早期にしこり化させるだけの悪影響がおよぶのですが
通常の肉体的負担などでは数ヶ月でがっちがちまでは
ならないことが多いようです。
つまり浅層筋の硬化させた部分を解けば
その下には柔軟性ある筋層が控えている。
そのような感じです。


私がお客様を数ヶ月かけて解いていき深層筋近くまで入っていけたとき、
お客様からずいぶん体質が変わってきてうれしいといっていただけました。


深層筋が柔軟性を蘇らせれば、
コンディションが悪かった方ほどその変化は大きいものです。


以前そのお客様が深層筋を解くためのアプローチを受けたとしても、
深層筋以下の層までたどり着けず思うような成果がえられなかった。
もちろんそのお客様がかつて受けられた深層筋を解くアプローチで
なんらかの改善はあったのではないかと思われます。
人為的な圧が加えられて体のバランスが自然のずれ方と違う点で明らかです。


ただそのお客様が希望するところまでの改善が得られる前に
何らかのご都合で通うのを止められたのではないでしょうか。


最後に余談となりますが、
私が以前お話したとある先生は
「深層筋まで解く必要はない」といわれました。
その先生は作業面や経営上のことなど複合的に含めた言葉で
そう助言してくれたのだと思います。
私がする施術は地味で地道で労が多い作業ですから。。。


ここまで愚直に自分が思うところまで求めて進む姿勢を、
友人の施術者も西小山の仙人といいあきれておりますし。


ただ自分だけの施術のノウハウを着実に増やしています。
私どものところにお通いいただくお客様に向き合うとき
ボディワイズらしさが表現できればと願うばかりです。