「痛覚受容器」という痛みを感じるセンサーにひずみが生じてしまう慢性痛症


アメリカでは健康研究について<脳研究の10年>に続き、
<痛み研究の10年>と提唱され積極的に研究された。
その成果から興味深いことが明らかにされたようだ。


痛みというと<急性痛>と<慢性痛>のふたつが知られています。
急性痛は怪我をして体が傷ついたり運動不足ぎみなのにいきなり
激しい運動をしたりするときにおきるでしょう。
「痛覚受容器」という痛みを感じるセンサーが肉体に生じた問題点を知らせる。
怪我をした患部に痛みが走ることで、
血液を傷ついた組織に通常の数倍も集めていく。
傷ついた細胞を再生させるには多量の栄養素を集中させる必要があるため。


慢性痛は3ヶ月から半年以上続く痛みです。


ただこの慢性痛がすでに半年以上といわず、
もっと長期に渡り痛みを感じ続けているとき。
「痛覚受容器」という痛みを感じるセンサーにひずみが生じている。
これを慢性痛と分けて「慢性痛症」というように呼ぶことがあります。



この「慢性痛症」では怪我をしたときに痛みを軽減させるような動きを工夫し
姿勢を乱してしまうことがある。
その姿勢の乱れたゆがんだ骨格を筋肉を硬いつっかえ棒にして支えている。
そうなると常にそのつっかえ棒状の筋肉は急性痛でありつづけてしまう。
つまり「慢性痛症」は急性痛と慢性痛が混在することがほとんどです。


急性痛はモルヒネのような痛みを鎮痛させる薬品が効く。
慢性痛症となると多くの場合はモルヒネなどが効かなくなる。


それだけ対応が難しくなるのです。


怪我をして急性痛は一ヶ月もしたら跡形もなくよくなっているとき。
外見上はもうすでになんら問題なく痛みの原因の傷口もきれいだ。
だからこの状態で医師にみせると「気のせいでしょう」といわれる。
だが慢性痛症と化したときには外見的にはなんら問題がないのだが、
すでに「痛覚受容器」という痛みを感じるセンサーにひずみにより
傷がなくても痛覚受容器が誤作動。
気温変化や軽い衝撃や筋の動き程度で
傷があるぞなどという問題情報をキャッチ。
痛覚受容器のゆがみが修正されない限り
本人には痛みがあり続けるんですよね。


その気のせいでしょうといわれるもの。


案外とこれを本人も気のせいだなと納得しても状態は
慢性痛や急性痛ももっと進んだ混在を示していくだけ。


痛みを知る (いのちの科学を語る)


痛みを知る (いのちの科学を語る)』(著者:熊澤孝朗/出版:東方出版)という本に
もっと詳細が語られていますので、
痛みについて学究的に研究したい方はぜひに読んでみてください。


余談だが、
個人的に慢性疲労症候群のような自律神経系の問題を持つ人には
慢性痛症を持つものが多いように見受けられます。


慢性的な痛みは体の内奥にもぐるし
血行を悪化からや神経のずれの結果だったり。
さまざまな問題が潜んでいることがわかります。
表層筋だけでは慢性痛症はケアしずらいんです。
深層筋までいくとずいぶん改善が見受けられる。



でもこれらが私どもの施術で
主にケアしようという主たるものなんです。