内臓の奥にあるブラックボックスの問題解消。


冷え性だったり
アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性疾患があったり
自律神経系になんらかの問題があったり、
その他いくつもの用件があるとき。


内臓の深部を触れるように仕上げてからチェックしてみてください。
腹直筋や内腹斜筋や外腹斜筋などが硬すぎると内臓奥の状態はわからない。
腹直筋の付着点である恥骨周辺を緩めることは当然だが、
肋骨前面の重要な複数の点も緩めておくこと。
また腰背部を解いておくことを先行させます。
腹部奥の筋肉にかかる周辺の筋緊張によって生じる牽引状態も緩めておく。
内転筋群や首肩の筋肉群の腹部を縦ラインで引っ張り影響を与える部位です。


これらが済んだならば
施術者にしても正確に内臓ごとの状態を把握しやすくなる。
素人の方が自分の腹を触っても硬い部分を正確に見つけやすくなる。
冷え性やアレルギー等の疾患などがあるが自分の腹部の硬さに気づかず、
他者に軽く押されただけで飛び上がるほど強い炎症を持つことに驚かれる。


このような腹部のコンディションに気づき不安になる方もいます。


ですがものは考えようです。
健康維持を促進させたかったはず。
そのために絶対に改善が必須の最たる部位が内臓奥に眠っていた。
ここを眠らせ続けてブラックボックスだった。
そこに切り込んでいくことにより受けられる恩恵は大きいと思う。




腹部に硬さや引きつれがあれば腰痛や肩こり首こりは、
うまく腰部や肩や首の筋肉を解いても戻りが早いもの。
腹部がコアの筋肉の最重要位置を占めている。
このコアが動きの始点として動き出しを作らねば、
動作のほとんどは手足の末端を力ませた使い方にならざるをえない。
このような場合にはたいていは体の重心が上ずっている状態となる。


前後にゆれる腹部を中心にした腹式呼吸の反射が起きづらくなる。
普段の呼吸で深く息を吸いいれたり出し切ることがしづらくなる。
酸化した息を再吸収し続けるサイクルにのると血液の粘性が強く
手足の末端にある毛細血管に血液がいきわたりにくくなり冷える。
腹式呼吸がしづらいと肩を上に持ち上げた呼吸をしようとする。
肩に常時力が入り鎖骨下にしこりがこさえられると胸腺状態が悪化し
免疫力に不具合が生じるためアレルギーの傾向が強くなってくる。
つまり鎖骨下を緩めれば胸腺から排出させる免疫物質の量は増えるが、
もし肩呼吸を手放して腹式が楽になれなければまた胸腺が詰まりだす。
その悪しきサイクルの源流のひとつが腹部にありそれを叩くのです。



施術者は何名もの腹部のリリースをしていけば、
炎症し硬化しやすい部分にはパターンに気づく。


門脈や腹部大動脈や大静脈など、
腹部の奥に通る主要な血管部分に硬さが目立つことが多い。
そこだけではなくそけい部周囲や膀胱や卵巣部や結腸部や
胃の下部やその他いくつもの硬化した部分が発見されることもあります。
それらの硬くなる部位ごとに観察していけば興味深い主訴との関連を
見つけることができるはずです。


心臓から足への通り道の部分が腹部の大動脈や大静脈です。
この部分にしこりができるとどうなるでしょうか。
ここには血液の通りを悪くする関節もないのです。
腹部奥の大動脈・大静脈で血流が詰まるイメージは少ない。
ですが実際は大腰筋や腸骨筋が硬化萎縮し突っ張ったり過剰に肥大したり、
腰椎の前湾やねじれなどのずれにより腰部の筋肉がゆがんでしまい
その影響が腹腔内部に悪影響を与えたり。


腹部ポイントにアプローチしたかどうかで、
施術後の状態に体全体の緩み方の維持や、
自律神経系および循環器系の状態改善に違いが出てくるように感じます。


最後に付則なのですが。
部位的にリスクが高い部位の筆頭です。


個人で腹部をマッサージしたいときは、
腹部の深部まで圧をかけないほうが安全。
表層をマッサージするにとどめておいて
腹部マッサージを定期的にして回数を増やすことで対応しましょう。


安易に闇雲に腹部の奥を痛みをこらえて押すのは
頚椎を自己調整すると同様に危険を伴います。
腹部の奥で神経とリンパ管などが絡まって
それを引きちぎると内臓奥で出血する事態になりかねない。
外科にお世話になることにも。
その扱いは熟知したものに依頼なされたほうが安心かもしれません。


私が腹部を解くときは神経を極端なまで集中させねばならないため、
信じられないほど疲れます。
3次元的に骨で位置が固定されていないぐにゃりとした内臓を把握し
その硬化状態の筋の筋道や層や体の各部との係わり合い関連性や経絡など
さまざまな入り組んだ要素を読み込んでとかないと
安全かつ効率的には解けないからです。