蛇行する胴体。


骨格にはいくつかの特徴がある。


大腿骨や上腕骨などは長い骨ですよね。
大きな筋肉が付着して大胆な使い方もできるだろう。


それに対し手首から先や足首から先は
指の関節が第一関節から第三関節まで分化して巧みかつ繊細な作業ができる。
ペンを握ったりキーボードを打ったり。


では脊椎は大腿骨のような雰囲気の大胆な使い方か
それとも手の指先などのような巧みで繊細な使いか?


どちらなのだろうか?


解剖学的な考察をする前に
自分が持つ脊椎の印象を確かめてみよう。
人により印象がずいぶん違うのではないでしょうか?


ある人は脊椎は『大黒柱』と考えるでしょう。
大腿骨のように一本線がしっかりと入ったものという印象。
それは五重塔の中心に設置された心柱のようなものですね。


ある人は脊椎は『蛇の背中のようなもの』と感じるだろう。
24もの椎間関節があります。
各々の関節は可動できるわけですから、
蛇腹のようなしなやかな動きがイメージできるでしょう。
ヨガやダンスなどをしているひとには、
ポーズや動きにより脊椎の柔軟性を感じるだろう。


人類は進化の過程で二足歩行を手に入れました。
脊椎を大黒柱にしたのはつい最近の話です。
四足歩行のときの脊椎は建物でいえば梁でした。
それも手足を動かすときに蛇行する梁なのです。


人間も胎児のとき魚類や両生類のような進化を胎児のときにたどります。
そのときの脊椎は明らかに蛇腹のようにしなやかに動かすべきものです。


脊椎設計の基底部には蛇腹のように動く仕組みがいまもある。
そのために腰椎・胸椎・頚椎の椎間関節は退化せずにあり、
背骨をくねらせて移動する蛇行動きがいまだにできるます。
また日ごろよりそうせねば椎間関節の存在が忘れられ
脊椎の椎間関節部は廃用性萎縮へと突き進むでしょう。


すると脊椎を構成する椎骨がまるで関節を失ったかのように、
ゆがんだり萎縮した状態で可動域が狭まるでしょう。
脊椎の老化が始まっているといってもいい状態です。


四足動物では水平面を進むなら水平軸上で蛇行して移動していた。
今の二足歩行をする人間は垂直軸に蛇行させます。


ひとまず垂直軸方向に脊柱を立てたならば
次に脊椎は椎間板の関節部がしなやかに呼吸のリズムに沿いつつ
前後に動いているかどうか確認すること。
もし脊椎の動きがなく緊張していれば、
理想的な立ち方とはいえないでしょう。