「臍を天に向けよ!」

太極拳に学ぶ身体操作の知恵―「10の言葉」がカラダを拓く!』という本を読んで。
こちらは動き方の要諦というか秘密を明かしてくれている良書です。


第2訣 含胸抜背に、
『「臍を天に向けよ!」---正しい丹田の形』と解説してあります。


丹田部分のコアを作り出すときの要訣としてわかりやすいです。
臍を上方向へ向けるように努めると自然に腰が伸びてくる。


「腰を痛めることなく徐々に運動能力を高めていくことができる」
と太字で解説されている。


実際にそうしてみるとわかることだが、
下腹部に力を込めてコアを必死に作ろうとしなくとも、
内臓側に反り出した腰が上方へ伸張すれば自然に腹腔が緩み広がりだす。


みぞおちの力みも少なくなり腹式呼吸も楽な感じ。


「臍を天に向けよ!」とは実に優れた要訣のひとつだと思いました。


既に腰背部やでん部のしこりが緩み、
背中を緩め広く使えるもののほうが
この感じを素直に体感できるだろう。



もし馬歩立ちをするときに、
むりに腰を落とすと臍が下を向く。
それでは腰にかかる負担が重くのしかかり、
レーニングをして丹田の力をつけるより
腰を悪くするのが落ちだといいます。


とてもよく納得できます。


スポーツやトレーニングをしている方々で、
腰を悪くしたり技術の上達が遅々とするときには、
多くのとき臍を下向きにしていることがあります。



腰を悪くする動きを続ければ腰部が詰まり、
腹部奥の大腰筋が岩みたいに硬く萎縮している。
その度合いが非常に強いときには、
臍を天に向けようとしてもすぐ下に向いてしまうのです。


それを修正せずトレーニングしても動きに悪い癖がつく。
悪い癖を強化すれば、
それを取り除くために後でひどく苦労するものなのです。
関節がずれて筋緊張が著しいつらい運動ですから、
繰り返せば繰り返すほど歯を食いしばってしまう。


体にかかる負担が少ない姿勢や方法を研究して
効率的に動けるように学ぶことは大切ですよね。


良質な運動は体をよく保ちますが
悪質な運動は体をよく壊すものです。


そんな良質な運動を心がけたい人に
太極拳に学ぶ身体操作の知恵」は心強い一冊だと思います。^-^)