人体は微細な小数点以下まで計算しよう  

先だってお友達の施術をする方からオステオパシーセミナーにいってきたと連絡をいただきました。


ありがとうございます。^-^)


そのセミナー内容は「膜の概念・頭蓋と身体のつながり」。



精妙な頭蓋仙骨治療の方法を実演していただけたようです。
仙骨をいじらなくてももう脳脊髄液の流れを頚椎部のみで
制御できますということ。


実演をみた先生方の中にはショックを受けた実演となったとのこと。


施術は視野を狭めていた目の粗い理解が消えて霧が明けていくと、
必要な情報の全体が見えてきて操作性がよくなってくる。
一般の方々が見ているような解剖学や生理学の図譜では到底まかなえない。
専門性の高い資料を見て知っていてイメージが現実界とドンピシャである。
そうなってくるとひとつの歯車を動かすとその歯車に関連する部分が
連動して動いてみたり、
いくつもある動滑車を一本のロープを引っ張れば制御できる仕組みがある。


メカの仕組みのような本を読んでみれば
人体のメカの仕組みとオーバーラップしているところが多いのです。
メカの仕組みを基礎から設計できる機械工学系の勉強をしている人は
人体にもまったくその工学と類似していると見えてくるはずだと思う。
メカが故障したときに仕組みを理解していれば原因を調べやすいはず。
それを把握すれば再現性ある修理が可能となります。


テレビが壊れたときゴンゴンと殴ってみたりする必要はないのですね。
闇雲に刺激を与えればよけいに壊れてしまうものです。


頚椎の手技の際に後頭骨にも影響を少なからず与えるため、
後頭骨もついでにコントロールして仙骨の動きを制御することはできます。
これなら私も少しだけですが手が出せるところです。


でも上部頚椎だけでコントロールすることも仙骨の動きの制御はできる。
というのも上部頚椎と腰椎や腰仙関節などの動きの連関性を利用すれば
骨盤帯の硬化しすぎていないならば動かすこともできると思う。
これは私にはちょっと手が出せない領域です。


メカを修理できるにはその仕組みを分析して全体把握できている。
人体を修復できるにはその仕組みを分析して全体把握できている。


メカは人工の設計があるから世に生まれ出たもので、
製作設計したものがその設計製作図を照らし見て、
故障部を直せるのは技術力があれば対応できます。


人体はメカのような人工的な設計図がない。
詳細な設計図もあるようでいてないし、
設計思想も神のみぞ知るようなものだ。
そうなると初期条件の設計図をどこまで詳細に把握し、
現実界と誤差がない状態で理解できるかがポイントに。


たとえば・・・
現実界の現象を把握するためのシュミレーションプログラムを作る。
その初期条件データーの小数点以下10ケタほど把握できたとしよう。
小数点以下を四捨五入したデータを採用してシュミレーションをした。
そうなると現実界で起きていることを
反映していないシュミレーション結果が眼前に現れる。
まったくの別物の使い物にならないシュミレーション結果が得られる。
正確なシュミレーションをしたければ、
微々たる存在にしか思えない小数点以下のデータの値をどこまで入れるか。
データを丸めすぎては使い物にならない。
データを丸める以前に微細まで調べがついてなければ使い物にならない。



それは常識なのです。


施術でもどれだけ情報量がデータとしてインプットしてあるか。
それはシュミレーションの基礎となる初期条件データなのです。
そこを知らねば脳内でイメージシュミレーションをした結果と
現実界の現象の結果は遠くなります。


ほんと。


そういうものなのだと思います。


そこにメカ修理にも似た制御力が発揮できるかどうか。
微細な小数点以下のような緻密なデータ集積と解析が
真実を語りだすのです。


世界的に第一線で活躍しておられる先生方は
貴重な書籍化されていない資料を得ていると思う。


この点で私ががんばっても丸まったデータしか持たないので追随できない。


せいぜい私が持っているデータは書籍化した古いもの。
書籍化されるまでに最先端は輪をかけて先に進んでる。
とことことかなり遅れて後追いをするのが現状ですね。


ここは認めざるを得ない事実です。


私が他者が持たない技術差を追求するには他に目を向けるしかない。


それは施術をはじめた当初から肝に銘じてきました。


施術の基礎を押さえ応用し独創性をいかしてもよい。


そこに重きを置くよう心がけました。


自分なりに人体の視点を増やし視野を広げてみていこう。
指導を仰がずに独力で考え時代遅れの遅々としたやり方かもしれませんが、
わりといい感じに仕上がってきてはいると思います。