筋膜のブロックを解くだけでいいのだろうか?

肩の回旋具合の改善を考えて


五十肩や四十肩もありますが、
それ以上になかんらかの問題で肩がうまくあがらないようなことがあります。


筋膜がバリアーやブロックとなってしまう場合にはそれをリリース。
肩周辺やその関連が広くを探ってブロックをリリースするわけです。


つまりブロック箇所を探るのですよね。


(1)筋膜的なブロック。


(2)経絡的なブロック。


(3)神経的なブロック。


(4)血管やリンパ管のつぶれや詰まり。


(5)骨軟骨の変位変形。


(6)石灰化したほどの筋膜や軟骨。


(7)骨の問題もありますよね。


骨の問題といわれてもイメージしづらい人もいるでしょう。
生体内部にある骨は石灰質のコチコチな硬いものではなくて、
カーボンファイバー製の釣竿のようにしなりがある柔軟性があるのだが
それが筋膜や軟骨の硬化し石灰化が進めば骨のしなる性質が奪われる。
骨も血液を取り込んで代謝しているんです。
それである程度のやわらかさと暖かさを保持しているのですが、
体の中心部にある骨が冷えまわりの組織を冷ましてしまうのですよね。


それが動脈の近所にあるんですから、
世の中これほど困ったことはない。



(8)他にもいくつかの広域で見ていかなければならない
チェックすべきところがありますよ。
副交感神経を優位にさせなくするようなポイントが癒されているかどうか。


これらを簡単にチェックできればいいわけですが、
表層から深層まで幾層にも問題は分かれているので。
ざっくりとこれは筋膜のブロックだけとかいえない。
リリースしていく深さで表出してくる過去の蓄積した問題が噴出す。




それをうまく出させて対処し処理ていくのです。
かなり頭を使いますし悩みますよ〜。


私の頭の中では患部やその周辺をスケルトンで描き、
その像を元に対処し、解くたびにそのスケルトンを描き変えていく。
その積み重ねが必須なんですよね。


単品のリリース方法だけでは、
上記のすべてを一気に解けることは難しいようなときがあるのです。


各人のお客様の状況によってこの深さが違うのです。
だから施術回数がかかることもあるのです。


ここまで参照していただくとわかるでしょうが、
「筋膜を解くんですよ」というのは、
ざっくりとしたところをかいつまんだ説明です。


そして上記のような複合した問題点のどれかひとつでも
丸々問題を残しているようならば直りがわるいから。
ある程度はなおったじゃないですかというとこおでとまるのです。


でもこれら複合した問題点を徐々に解除していくと
五十肩等も乗り越えられてぐるぐる肩が回りだす。


そしてブロックがはずされていけば
本来の関節可動へ次第に近づきます。


するとメリットは多いですね。


五十肩等で苦しい思いをしておられる方々のほとんどは、
上部肋骨が狭くなっていたり広げられていたりして固定。
動かなくなってしまっているので、
呼吸が浅くなっているんです。


それが改善した分、呼吸が楽になる。


またつらい首こりや顔面や後頭部の下方への引き連れが軽減します。


わきの下のしこり化した筋膜部分は石と同じほどの硬さになることも多く、
その周囲の柔軟性がある組織を要領よくしこりの中心部へと牽引させる。
それによる牽引痛がひとしきりつらくなることがあるのです。


肩のしこりのみならず首や背中側のしこり部を含めてしっかり解くと
表情が素敵に変わっていく現象が起こります。


そして不整脈のような
心臓の締め付けが軽減するでしょう。


免疫力をつかさどる胸腺部分の締め付けも軽減する。
肋骨が動きやすくなるために呼吸するときにおきる
肋骨ポンプにて胸腺内部の免疫物質が送り出しやすくなります。


アレルギーのきつい方がこの動きづらい肋骨を持っているもの。
アレルギーには花粉症やアトピーや静電気などのようなものも含みます。
胸腺の働きを正常にさせられるようになるとアレルギーの様子が
少しずつ軽減してきますからね。


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「へぇ〜。肩を治すのって大変なんですね」といわれそうです。


でも以前にも申したことがありますが、
肩のリリースは腕という足と比べると
比較にならないものをてこで使えます。
それをリリースのときに使えるから楽。


問題の解法が簡単かどうかでいえば、
そんなに簡単ではないですが、
力仕事的には他の部分のリリースと比べればやりやすいです。


だから気負わずにリリースできるような部分のひとつですね。


私は楽しそうに腕をぐるぐる回しつつ、
ひとつずつ肩の奥にあるブロックをはずしていきます。


もっと難しかったりリリースにシビアなリスクが付く部分がいくつもある。


だから肩をとくのは楽なほうなんです。