腰痛と骨盤とその周囲の筋肉群の関係について

今、ミクシィ椎間板ヘルニアのコミュニティを覗いてまして。
いろいろと勉強中です。


医療書から得られるものには痛みや苦しみの感情がかかれてはいませんが、
コミュニティのなかでは仕事を休職なされたり、
不自由さを感じて生活をしているという声が聞こえてきます。


こころから早く改善していただければと祈っております。




ここで施術をするものらしいちょっと違った切り口の視点で、
腰椎椎間板ヘルニアの状況を観ていきたいと思います。


体内の筋肉群。
そのなかでももっとも太さがある筋肉はどこでしょう。


答えは、二足歩行を始めるにあたり臀部筋が発達したため臀部。
骨盤周りに太くたくましい筋肉が集まっている。


体を自由に使うにもこの部分をいつかせないようにして、
どのように意図的に動かすか。
それができればダイナミックな筋肉群を生かして動けます。
容易にパワーを引き出して軽々と動くことができるのです。


骨盤を含め周囲の筋肉の基底部を機能的な動きをさせる土台をもっていれば、
質のよい動き方のテクニックを授けられれば、
短期間でかなりいい感じに動けるようになる。


大切な部分ですよね。





他の四足動物と人間を比べてみましょう。


四足で歩く動物の臀部筋や骨盤の形状と
二足で歩く人間の臀部金や骨盤の形状は
比較観察すれば人間の臀部筋や骨盤の立派さはことのほかです。



猫などの四足動物は四本足で内臓を地面方向へたらすように支える仕組み。
歩くたびに多少内臓全体が左右に揺れている。、
そのゆれに揺さぶられて内蔵機能が活発に動く。
前足でも体重支えられるため、
支える強度は人間の脚部ほどなくてよい。
後ろ足で体を支える強度が弱くてもよい分、
人間より骨盤は小さく支える筋力は小さい。
そして骨盤の形状も内臓は吊り下げるだけでよいため
人間のような内臓を入れる骨盤の上面となる
おわん形の上底のような立体的な形とはなっていない。


人間は内臓を骨盤やその骨盤の裏側にある臀部筋により守る仕組み。
つまり骨盤を含めた臀部は内臓をソフトに支えておくおわんでいて
歩くことで、リラックスした呼吸をすることで、
そのおわんがゆりかご上に揺さぶられて内臓が活発に動く仕組みです。


この骨盤や臀部部位が柔軟性がなくなるとどうなるでしょう。


内臓が揺さぶられなくなる。
揺さぶられなくなると弱い。


料理でシチューをつくるときにかき混ぜないと焦げ付き固まるでしょ?
かき混ぜれば大丈夫なのに。
それと同じなんです。
内臓も下からの骨盤底筋の振動と上からの横隔膜の振動で揺さぶっておいて、
うまく全体をかき混ぜてやわらかさが維持できるもののようです。


骨盤底筋を上下に振幅するには骨盤と臀部筋のパワーが必要なのです。
そこが固まって動けなくなると人間は弱りだす。


表面的には見えない世界で一般的には気づかれないが、
ひっそりとしつつもドデンと立ちはだかる要所なんです。


施術の世界では多くの洋書でもペルビックに着目している。
骨盤を含めた臀部をリリースすることで
多大な体調改善の成果をあげています。


オステオパシーなどの治療の世界では
日本より海外のほうがやはり数年先を行っているので、
その動向をうかがえば重要と考えるのが自然ですよね。


(注:昨今の「骨盤にバンドを巻いて健康に」という話は私が意図しているところとは別物です)



内臓が揺さぶられないと柔軟性を失いだす。
正常な内臓の弾力が維持できなくなります。
はじめは硬化して弾性の戻りが乏しくなる。
次に内臓が虚脱化して下垂しだす部分がでてくる。



内臓が硬化したり虚脱している状態では、
腹部の張りと同時に腰部の硬化が起こります。


人体を建築物のような構造体として状態を把握できれば
腰部の突っ張る感じがして腰痛がおきる仕組みや
腹部の強い内圧で不快な圧迫感がおきるのは自明のこと。


内臓を下支えするゆりかごが正常機能しなくなれば、
内臓は腹部や腰部の筋膜層の両者を協調的に締め付けを強くさせて、
内臓下垂を押さえて支えようとしてくる。


結果的に内臓を締め付けて内臓部の代謝を悪くすることになる。
だがそうするしか選択肢がないので仕方がないのですね。


人体は立つため内臓は黙っていても重力に作用され下垂する。
内臓の特定部位の硬化が現れればそれにも増して下垂が進む。
腹部や腰部の筋膜の締め付けで内臓の全体が下垂するのを防ぐようにしている。


つまり腰部や腹部前方の筋膜層の締め付けは内臓を苦肉の策。
腹圧をあげ内臓を上下に立体的に積み上げておく工夫の結果。



なので慢性腰痛の人でさえも
臀部の大きな筋肉と骨盤を緩ませるだけで、
腰部の先ほどまで強烈に硬化していた部分が
腰部を触らなくとも緩む。


そのような仕組みがある。


だからちょっと深く読めば腰部が張っているから
そこをとにかく揉んで緩めればいいというのはまずいときもある。
そのことに気づけると思います。


せっかく作った内臓用の自前のコルセット。


骨盤や臀部などがずれて内臓を下支えするカップが硬かったり
斜めっていたりゆがんだ状態のときは、
まずは下支え部分を改善させて内臓を乗せる場を作ってから、
それから腰部や腹部のコルセットを緩める。



そうする手順が安全なんですよね。



私どもの施術ではこの二つの作業を同時に進行させます。
問題が起きないように注意を払っております。
かなりここにはこだわりを持ち試行錯誤を重ねました。
他の施術院ではしないようなリリース法をも工夫したりとがんばりましたが、
気づいたらすごくシンプルなリリース法に落ち着いてました。
臀部筋の解き方は「Less Is More」な解き方を真っ向否定。
強烈な力技です。


人体が臀部筋が二足起立姿勢をとるため他の動物以上に発達しているから。
幼児のとき股関節脱臼していて問題があったり、
慢性腰痛や椎間板ヘルニアになっている人や、
女性ならば生殖器系の問題がある方はことごとく硬いですから。
つまり骨盤を立体化させる靭帯が骨と同じ硬さになり変形していれば、
そこにアプローチできるまでリリースしないと元に戻りやすいんです。


たとえば椎間板ヘルニアを手術で対処しても、
子宮内膜症子宮筋腫を手術して対処しても、
再発する率は高いといいます。


骨盤周囲を改善していきます。
それで再発率がどう上下するかは検証されたデータはありませんが、
腰椎ヘルニアや子宮筋腫子宮内膜症もどのような状況でなるかの
体表の表れがあるのでなりにくい条件に維持できるようになります。
(ただちゃんと骨盤周囲を改善した状態を維持していただくのが前提^-^;)




もちろん仙腸関節部分は手荒なことはいたしませんが、
臀部筋はもともと筋肉で柔軟な軟部組織だから多少の圧は余裕で耐えられる。


ある程度の骨盤の骨の間近まで柔軟性を取り戻せればいいのですが、
そこに遠い人は必死に私が臀部筋は柔軟性を取り戻すほうが早い。



^-^;



一般の方が自前で強く腰部や腹部を解こうとするとき。
必要だからこさえた腰腹部のコルセット部分だけを
必死にはずそうとすれば問題が当然に出てしまう。
時期に内臓部分に不快さが現れるようになります。


腰腹部のコルセットは再生されるのですが、
以前よりはずされにくい強力なコルセットを作って対抗します。
必要だったから不快な腰痛や腹部前側の張りがでても
自前のコルセットを作って対処していたのです。
その恩を感じないと、しっぺ返しが怖いんです。


腰腹部を緩めるときには、ちょっとだけ慎重に。


一気に多く解こうとしないで少しずつ緩めるように。
気持ちよい程度で腹部や腰部をマッサージする程度なら問題はないでしょう。


体の中を把握していないのに強烈な痛みが伴うようなマッサージをするのは
リスクが大きいのでお勧めできませんから。


体内の内部的な仕組みが見当がつかないときには
気持ちよい程度に抑えてマッサージをするように。


余談ですが、
体に痛みが出るのもそれは自分の体を助けたいからメッセージを送っている。
そういうケースがほとんどです。
そのメッセージを頼りに、
なぜ?を繰り返し聞けば、
理詰めで説明できる理がひらめき「あっそうか!」なります。


そういったことを繰り返すと、
痛みに恩を感じだせるように。


人の体の深部まで探る仕事をしていくと、
その人が今感じている痛みは、
感じて対処すべき優先度が高いものだと気づきます。


痛く感じる優先度が低いものはほとんどが脳がその痛みをカットしている。
体の内側には今に感じている痛み以外のものがかなり控えているのが事実。


痛みとの付き合い方。
奥が深そうです。