胆力を磨くのも施術効果を維持には必要


一人ひとり、
丹田についてのイメージは異なるでしょう。
私自身も、考えが深まれば深まるほど、
そのイメージは変わるでしょう。


ただ胆力が足らずに何度も腰痛を繰り返してしまう方もおられるのです。


カメルーンに海外青年協力隊で赴任したお客様。


長年、腰痛に苦しんできました。


ですが急性の腰痛ではないため、
深層筋膜部位の歪んだ癒着しています。
体が歪んだ状態で立つことが手放しづらい。


なぜ?


筋膜には順列的に並ぶ整列された並び方があります。
それが慢性的な腰痛やその他の問題が生じていると、
その整列されているべき筋膜の並びが、
ジグザグになっていたり
引きつれてしまったり。
隣り合う筋膜のバンドが近い筋肉に引っ張られてしまうのです。


これは筋膜だけではなくて
靭帯等の他の軟部組織もこれと似た様な現象が起こりますから。
筋膜以上にリリースがしづらいやっかいなものもあるのですね。
このような所はまさに骨の硬さに化けているんですから。
アプローチに不慣れな素人の方が加圧すれば断裂等が容易に起きます。
硬化した筋膜や骨化部分は栄養素が得られない弱化したもろい組織です。


筋膜は整列していることで収縮していく筋肉の筋繊維をサポートできます。
ですが筋繊維を取り巻く保護材としての筋膜は引き連れたりすれば、
一転して筋繊維を動かせないようにがんじがらめにしてしまう。
そのような状態が慢性化した筋肉痛にはともなっているのです。


だからカメルーン行きの日数が迫っているため、
「ここが痛いからここをどうにかしてくれ!」
と要求されます。
気持ちは痛いほどわかります。


ただ実際に施術をしていくと、
個々の独特な問題点が含まれていて、
リリースが進むにしたがってそれが表出してくる。
それが通常なことです。


表層や中層の筋肉を対処して置くだけでいいなら、
こんなことは語る必要はありません。


ですが明確に体の深部に骨化した筋肉部分があることを
お客様もありありとわかってしまえるような場所に
2〜3表出している部分もあるので。
なので遠方からわざわざ私どものところまでおいでいただけたわけでして。


お客様の中に、
いくつもの施術院を転々としている方がおられますが、
このような深層の筋膜部分の問題が解消されずにいて
先に進めずに迷宮に入る人も多いように感じています。


必ずといってよいほど、
状態が戻ってしまうのです。


私も人からすごいといわれるようなことはありません。
ただ愚直に、一歩ずつ、
状態を改善できる工夫を積み重ねるだけで必死です。


ただひとつ言えることは、
このお客様の場合には体の前後湾曲がきつすぎるため、
丹田の力、
または他の言葉で言えば
腹圧を調整することで腰椎を縦に伸ばし支える力が弱い。
最近ではコアとか呼ばれることもあるでしょう。


身体の前後湾曲を緩めて脊椎の側湾を改善させて、
それからコアを活かした腹圧で腰椎を縦に伸ばす力を得る。


これがセットにならないと、
継続した状態の維持や改善を推し進めることは難しいのです。
特に関節が柔らかい傾向が強い人であればあるほど、
苦しんでしまいます。
そしてあまりに腰背部に痛みを感じ続けるならば、
精神的にもやりきれなくなるのは当然のことですが、
消化器等の内臓の部分にも硬化した起立筋や大腰筋が
悪影響を及ぼしてしまうことになりやすいようですから。



2年後にカメルーンから帰られたときには、
丹田とは・・・といった体の使いようについて、
じっくりと説明する時間が持てればと思います。


この部分の使い方はバレエなどでは必須習得要項ですが
なかなか奥が深くて身につけるのも容易ではないことは
多くの方々は体験していることでしょう。


ただ彼と同様の今後続く一生の健康不安を手放してきた他のお客様も、
少しずつ立ち方が自然体化していきコアを活かせるようになってきて、
非常に安定してきたという実例がいく例もあるのです。


他の施術院で10年も毎月決まって4回ほどお世話になっていたのが、
それが手放せるようになったという人もいます!
ずいぶん経費削減にも時間節約にもなるじゃないですか。


体の使い方を学ぶのは面倒かどうかというよりも、
自分が体に備えてきて生まれてきた機能を余すことなく使うのが自然だ。
そう考えて積極的な気持ちで明るく取り組むことができると
いい結果がついてきやすくなるような気がします。