頭蓋仙骨治療と脊椎の関係の深さ

頭蓋骨は、いくつものパーツになる骨が組み合わさり立体化されている。



http://web.kyoto-inet.or.jp/people/irisiris/studies_img/skeletal_sys/bone/bone_skull.gif

http://web.kyoto-inet.or.jp/people/irisiris/studies_img/skeletal_sys/bone/bone_skull_side.gif


そして頭頂骨と後頭骨などの間の縫い目上のギザギザした粗く組み合わさっている部位を縫合部分とよばれています。


この縫合部分を境にして、
呼吸のリズムにあわせて頭蓋骨のパーツごとに開いたり閉じたり。
縫合部分が関節の役割をしていて、
わずかながらに動きがあるのです。


ちょうどポンプのような仕組みが頭の中にある。


(最大伸展と最大屈曲)によるポンプ効果です。


人間の頭蓋骨の動きの速さにつきまして。
1分間に6〜12回で頭の横径が1? 位広がったり狭くなったりします。
かなり繊細な手の触覚感覚がなければ、
このような微妙な動きはつかめませんね。
ですがわかってみると確かに動いているのがわかります。


ふつうは1分間に7〜8回で6回以下になると体に病変が起こります。
重体の病人は3〜4回だそうです。


大きな縫合部では、
屈曲と伸展、回旋、側屈、側方ストレイン、垂直ストレイン、減圧、離開の
状態がどうであるかを調べるわけです。


頭蓋骨が膨張して収縮するときに、
脳内の硬膜と軟膜の間に貯めた脳脊髄液を硬膜を通し体全身に送り出します。
正常に機能していれば、
仙骨のほうまでちゃんと流れるようになっているわけです。


脳脊髄液の機能はいくつかあります。
脳のなかのことのみで観察すれば...
「衝撃吸収機能」は、脳脊髄液という液体の中に脳が浮いている感じです。
もし脳が直接頭蓋骨の骨に密着していれば、豆腐のように柔らかい脳が、
骨という硬い物質にぶつかり砕けてしまいます。
そうならないようにするための衝撃吸収材です。


「循環機能」として。
体内を循環しているというと血液とリンパ液が有名所ですが
第三の循環液として脳脊髄液も大活躍をしています。
脳室内部を常に循環し、もって脳実質の保護や栄養供給などを行なうのです。
この循環が悪くなると、髄液が鬱滞し、水頭症となります。


ところが頭蓋骨の形や脳脊髄液の屈曲と伸展のリズムが、
問題があれば様々なネックが出てくるとも言えるわけです。


頭蓋骨のポンプの役割も大切です。


ただ脳脊髄液の循環には欠かすことができない視点があります。
私がイメージするのは脊椎の中を通る硬膜の問題も大きいのではと思います。
それも本当にここがとても影響が大きいように思える。


脊椎に側湾や詰まりなどがあって動きの自由度が削られている。
そうなっているときには椎間板に問題が生じて
硬膜にもそのような影響が出てくる。


最近、脊椎の周囲の筋膜をかなり深くリリースできるようになり、
その脊椎が脳脊髄液の送りの問題に大変な影響を与えていたと実感しています。


後頭骨のプーリーと仙骨のプーリーの同時性のメカニズム。
ここから派生した頭蓋仙骨治療という名前だと思うのです。
頭蓋仙骨治療という命名はすっきりしているのですが、
脊椎の問題部分を少し影をひそめさせてしまうのだと
このような実感を得て感じます。