骨化の対処の難しさ

骨化の対処の難しさ


筋膜が癒着が進んで、
本来ならプルプルのゼリーのような柔らかさなのに
骨と同じ程の硬度を持ってしまったとき。


「筋膜が骨に化けてしまっている」という感じに表現したりする。


本当に骨と同じ程かまたはそれ以上の硬さに感じられるから、
一般の方には骨かどうかの見分けがつかないかもしれません。
専門家でも骨かどうか迷います。
明らかに解剖学的に骨ではない部位は容易に判断付けますが、
骨のぎりぎりの部分は難しい。
リリースできないから骨とか、
リリースできたから筋膜だとか。
そうやってみていくこともしばしば。


そうなってしまった組織部分とは
こうなると器質的に柔軟性を失い
理想から程遠い機能を発揮しだす。


本来の筋膜のタンパク質でできた熱や衝撃に弱い筋組織を守る性質や
膜組織部分に発達した感覚神経組織の機能も期待しづらくなります。


それどころか筋繊維の収縮や伸張を阻害し、
筋膜が本来は保護すべき筋繊維を圧迫して血流を抑制してしまう。
そして骨化が関節周囲で広まれば、
体の自由な動きは確実に低くなる。


骨化がいったん体の中で進んでしまうと、
一部の不自由な関節の動きは体全体の動きのバランスを崩すことになり、
骨化が緩んで溶け出すどころか、
関連する部位に骨化の子供のようなものを創りだして影響を及ぼす。


それに骨化に至った部位を無理に動かしたり、
または逆に運動不足気味な生活で全身の代謝を悪化させれば、
小さな骨化がいつの間にか大きな骨化に雪だるま状に化けてしまう。


だからかなり厄介なもの。


ただこのような変質をしたにも
そうなったほうが都合が良いという状況設定を
自らが与えてしまっているのが原因のことがあります。


第二の骨のような支えの構造体として特化した骨化した筋膜部位は、
その機能を発揮するためにがんばろうとします。
そのような場合には、
いったんできたそのような部位は解けることは、
体の支えを失うことと同じ意味になりますから。
だから必死になって解けないようにがんばります。


そのがんばりは強力なものです。
だから一度骨化したら、
一生そのものは体のその部位に形を変えつつ居続けることが普通。


それゆえにそのような硬化したものを手技でリリースしようと戦いを挑むには
いろいろと知恵と工夫や汗と涙が必要ですね。