体の凝りの作り方の興味深いパターン


人は体の使い方次第で興味深いしこりのパターンを作り出します。


そのことを今日はとてもよく痛感しました。


お客様が、最近つとに背すじが曲がってきて
ご老人であるかのような姿勢をとったほうが楽に感じてしまうといいます。


そうなったことで「思い当たることは?」と問いました。
ですが自分の体について観察を続けるのは難しいものだ。


ヴィパッサナー瞑想のようなものを、
日頃から実直に行い続けていくよう
修行のようにボディスキャニングを
していく必要があるのかもしれない。



自分でなぜ現状となったのだろうかが、
見抜いていなければ
起きた原因を把握できない。


すると適切な対処法がないのが現状です。


そのようなときは案外、
迷宮に入りやすいもの。


それが体の利き足側を酷使して、
そちらがわの骨盤が前傾し低下するために起きた場合は
施術者としてもそれは見抜きやすいものなのです。


そのようなときには体のねじれが起きているのですが、
起立筋と大腸菌のそれぞれ対角線上に位置するものが
硬化短縮しているなどの対になって歪みを引き起こす。


ただこの度の場合には、
大腰筋の硬化短縮はなくて、
腰部の片側のみが極端に硬化。


一般的な施術をしていたのでは
歯がたたない硬さだと言えるだろう。


その硬度は尋常じゃないので、
本人としてもこれを背負えば
自分がどうしちゃったのかが
わからなくなってきて不安に。


それは、そのお客様のかつての体のかたまり方のパターンとは
まったくの逆の部位が硬化しているため、
あまりにも不自然だ。



そのようなことを考慮していくと、
単純に立ち方が悪いだけでは起き得るようなしこりの付き方ではない。


他に何か、問題の腰部の硬化を強いてしまうようなことは?


そう考えると、
お客様はずっとギターを熱心に練習をしておられたといいます。


そのことを施術中に聞いておりました。
ギターを抱え込んでいた姿勢をしていて
背すじが左右が斜めになるよう丸まりつつ
ということになると、
問題となる腰部にのみ影響が現れることも推測することができます。



アレクサンダーテクニークの本には楽器を弾く指導をするときの
興味深い内容が掲載されているものがあります。


そちらの本を一部参照していただき、
首や肩などの位置を修正していく。


その過程で、
体がギターに軸を持って行かれてしまい
それが自分の本来あるべき中心軸を見失わせてしまった。
そのような可能性があるのではないかと
聞いてみました。


すると確かに首を今の指示された位置に
修正されたならば首は楽だし、
いつものギターを弾く時の感じではない姿勢です。


その時点で、
腹部の大腰筋が硬化短縮してしまい、
腰部ほどにひどい様子になっていなかったのも説明がつけられます。



自然な重力線に沿った体の歪みを作るパターンでは
ある程度の呼吸を深くして重心を再確認して
中心力を取り戻すことで復活できますが。


それがこの度のような特異な様子では、
なかなか緊張を強いられた状態での
呼吸を潜めた状況となります。


そのようなものはいったん体に染み付いたら、
自分ではそんなものが染み付いたという自覚は持ちにくく、
いつの間にか自分の体の中心軸がバラバラとおられている。
そのようなときにリカバリーできるのは、
ありそうでいてあまりなく、
徐々に体の不安定さを受け入れていくしかなくなる。


それは自分では体を歪めようと思っているわけではなくて、
たまたま必死にがんばってギターを練習していたときには
すでに体を歪みが出た姿勢をして練習をしてしまっている。
歪んで傾斜している状態を緊急避難的にどこぞの大きめな筋肉を部分的に酷使して支える。
そしてその部分が必死になっている様子は、
だいぶあとになってひどい炎症がでるしこりになってから、
なぜそこに痛みが出ているかはわからないのだが、
突然に何ら脈絡もなくひどい痛みに襲われたとしか思えない。


それまでは、
その状態を続けてしまい定着してしまっている。
そのようなことは無意識化でしてしまっている。
そのため自分ではそんなことをしているとは気づきにくい。


そうなると姿勢を左右をミラーで写したような
シンメトリーかつ合理的に扱うことが難しくなってくる。


そういったことがきっかけで
後々までそのときの体の歪みから自力では逃げられなくなる。
そして不調となった状態を持ち越し続けることがあります。
スポーツ選手がこの状態になると長期スランプに陥ります。


意外にこういう状態については、
他人の目でしたらみつけやすい。
そういったものなんですよね。