居眠り病(ナルコレプシー)
主症状は「何ヶ月も続く、日中の居眠り」。
これがつづくと「怠け者」のレッテルを張られることも多くなります。
本人にも病気であることの認識が乏しいこともあるそうです。
理解を得られず退職や転職を余儀なくされる人もいたりして、
結果的に生活に大きな影響を与えられてしまう。
筋肉的にみれば居眠り病は、
たとえば
『腹直筋』や『腹斜筋』が硬くなりすぎていることが見受けられます。
これらの筋肉が硬直すると呼吸困難になりますし、
腹痛や胃痛なども起こりやすくなります。
構造的な欠陥としては、
脊椎のすべり症や背部虚弱、頸部障害、矢状縫合のつまり、
腸骨内旋、腰椎骨盤の前方変位などの不都合が起きるわけです。
呼吸は肺でするイメージがありますが、
私にはちょっと印象が違うんですよね。
腹部の腹腔内に収まる内臓全体が動こうとする意志があるように感じられる。
それをやわらかく伸び縮みをする腹直筋や腹斜筋がサポートしてくれている。
伸縮性がある腹直筋や腹斜筋。
そうでなければ横隔膜や骨盤底筋の上下動が妨げられるようになってしまう。
もし伸び縮みをすることができなくなった腹直筋や腹斜筋と化けてしまえば、
内臓という大きな質量を持つ器官を揺り動かす呼吸法ができなくなるのです。
内臓がある部分が人間の立位状態で測る前後上下左右の中央に当たります。
そのコアとなる内臓をゆりかごのように揺らすのが骨盤と骨盤底筋ならば
腹直筋や腹斜筋は軟体動物のような内臓を優しく囲い積み上げるためのもの。
そして横隔膜の上下動をしやすくなるような遊びを持ちサポート役でもある。
柔らかい風船を押すかのように、
横隔膜が上下すれば緩み広がる。
この腹直筋や腹斜筋が固まると、
横隔膜が上下動しようとしても、
硬いバスケットボールを押すかのよう。
横隔膜が上下動しづらくなるのは必至。
結果的に腹式呼吸という効率的に大量の呼吸代謝をする機能を手放していて、
睡眠時は腹式呼吸に頼るため寝ているときに深く寝入ることができなくなる。
そのため入眠時に寝付けないし、レム−ノンレム睡眠のリズムも乱れている。
そんなことの引き金が腹直筋や腹斜筋によって起こされることもあるのです。
なので私がお腹の筋肉をちょんちょんと触って見ていて、
これは睡眠が深く取れないから筋肉が緩みにくいだろうと理解できています。
つまり人はもっとも効率よく筋膜を緩めることができるチャンスがあるのが
睡眠をとっているときに脳波がθ波のような安定した状態になったときだけ
筋肉や関節を緩めるような強力なホルモンのようなものを出してくれるので。
これが出てくれるのと出てくれないのでは、
翌朝の目覚めの疲れの抜け方が段違いです。
単に筋肉がちょっと固まっただけじゃないのと思われるかもしれませんが、
筋肉ごとの機能や内科的や構造的な欠陥をもったときのダメージ状態など
しっかりわかってみていると、そこの塊が何を意味しているのかがわかる。
なのでお客様に「夜に寝つきにくいですか」と確認の質問をするときには、
腹直筋や腹斜筋にとどまらず、
他にも同様にある寝つきにくくさせる筋があり、
その硬化をみて相当な状態だということを確信。
お客様は「えっ、なんでわかるのですか?」と驚かれる。
そのような筋肉の特性は応用筋肉学の本を参照すればよい。
そこに種明かしがあるのです。
その知識があるかないかの差。
ここまで筋肉の特性を調べてくれた先生方がいて感謝です。