脊柱起立筋が硬くなりすぎているとき

脊柱起立筋が硬くなりすぎているとき

体の中の筋肉に過緊張状態の筋肉があれば
その筋肉に関連する関節の遊びが減少して、
動きがぎこちなくなります。


運動性能に問題が出てくるというわけです。


構造的には、左右どちらか一方の起立筋が硬くなれば、
そちら側の起立筋群が緊張萎縮して側湾症になります。
常に両サイドの起立筋が硬化すれば脊椎の椎間板の萎縮が始まます。
また骨盤の上方が前傾すれば腰部が下腹部が前に突き出されるような反り腰になります。
いずれも腰痛や背部痛につながることでしょう。


これらは外見上や筋肉の硬度をそれぞれ詳細にチェックすればわかりますよね。


ただ外見上では観てもわからないこともあります。


たとえば膀胱経の経絡に属します脊柱起立筋ですから、
この起立筋の問題があると膀胱に問題が起きてしまう。
トイレが近くなってきたと実感するときもありますね。



そしてもうひとつ。
脊柱起立筋の硬化により精神的な問題が生じることも。
情緒緊張という傾向がでてくることもあるのです。


これは背中の産毛が逆立ち鳥肌が立つような恐怖心を与えられたようなときに、
「背すじがゾッとする」っていう体験をしてしまったことはありませんか?


脊柱起立筋が硬くなりすぎたままでいると
この背すじがぞっとしているときの情緒的な緊張がわきあがります。


それが常にそのような背すじがぞっとしている状態でいつづければ、
緊張状態には慣れきってしまっている。


でもいくら慣れていても常に緊張していて気の休まる状態にはなれない。
それは確かなことだとわかるときもあるのです。
緊張状態のレベルが常に高いために、
意識上に緊張が登るレッドゾーンにいくにはちょっとした一押しでいってしまう。
「なんだか自分が過敏に反応してしまう」というようなことを
のちに冷静になると思えてくることになる。


このような起立筋が過剰に緊張していると情緒的緊張状態がきつくなるということを
意識できていないとすると、
「自分って、なんでいつも小さな事でいらいらしたり、おちこんだりしてしまうの?」
というように自分の性格が気に入らないようである。
意外にこれは自分でも当惑するし、つらいことです。


ただもしかしたら脊柱起立筋が柔軟性を取り戻していくにしたがい
背すじがぞっとしたままという緊張呪縛から離別できるときもある。


つまり自分の性格が問題だったというのではない。
体からきてしまっていた致し方ないことなのです。


そのようなこともあるようなのですね。
ただいらいらしたりおちこんだりするのが性格からきていたのか、
それとも体からの脊柱起立筋の緊張により情緒緊張へ至ったのか。


どうであったのかを見分けるには、
脊柱起立筋を解いたあとにわかる。