硬い地盤の上に軟弱地盤があってというのは、骨と筋肉の間柄に似てる

古武術甲野善紀氏の本を数冊読むと、
筋肉量を増やすより、体の使い方の質を改善しようといいます。


もちろん筋肉の量がなければ使いものにならないのが武術です。


ある程度の筋肉の量がなければ、
豪腕に打ちのめされるのがおち。


でも動きの質を追求しようとする熱心な研究をすれば
その試行錯誤で動く段階で質のいい筋肉が養われます。


私は当面はそれだけで十分。^ー^



動きの質を向上させることの面白さは特筆すべき所があります。


体を操るための仕組みが非常に理にかなっている。
そして研究すればするほどその理は深まっていく。
そのようなところが面白いですよね。




ときとしてそしてそのような理屈を得るときに、
体についての文献意外のものから学ぶことも多いものです。



以前ブラタモリで東京駅の明治時代に造られた高架橋脚について話されていました。
もともと東京駅のあった場所は、江戸時代は海の底でした。


そのため地盤が軟弱です。


そのうえに高架橋脚を据えるには、
ながーい杭を複数、硬い地盤に刺さるまで伸ばさねばならない。
そのような作業が東京駅の下になされているそうです。


目に見えない部分に安定させる秘密があるのですね。


そして人間の筋肉も柔軟性あり動いてしまう地盤のようなもの。
ここの上に意識を置いても、ぐらついて上物は崩壊いたします。



下の地盤の骨という伸び縮みしない強固な地層にまで意識の杭を打ち込んでいるか?
ちょうど東京駅の高架橋脚のように強固な地盤まで杭を打てば安定するのですから。



強固な地盤がどこにあるのか意識せず、
上物を動かしているだけでは崩壊する。
筋肉ばかりみていてもよくありません。
少しずつ視野を広めていくことが必要。



たとえばですが、
腕を動かすという場合には、
どこに強固な地盤があって、
そこに杭が届いているのか。


腕は体幹には肩甲骨部分が大きなエイリアをもって接している。


肩甲骨は腕の骨です。


腕を動かすときには、
力みなく強い力を取り出したいならば肩甲骨が真っ先に動き出します。
それは肩甲骨が肋骨に密着していて固定している状態を、
ちょっとだけその両者の間を空けさせて動きやすくする。
このような初動が起きなければ腕の動きはぎこちない小手先なります。



腕の動きの質をみるにも骨という強固な地盤をどのように動かすかの意識が必須。


筋肉の特性と骨の特性など、
識別整理され最適な使い方を心がければ、
それだけで動きの質は向上するでしょう。


ときとして狐につままれたような、
不思議なほどの力がだせてしまう。


木刀を振り下ろす動作と引き戻す動作。


振り下ろすときに剣道等をなさっておられない方々の多くは、
肩甲骨がまったく動かない状態に固定して振りだしています。


それでは小手先の動きですから、
絶対に打つ目標を射抜けません。


ではどうやれば肩甲骨を動かしつつ振り下ろすことができるか。


振り下ろすときに肩甲骨が動いていないことに気づかれることが少ないのですが、
ここが見えていないと、
何千回素振りをしても意味が無い。
下手な動きにより肩や胸や背部筋の異常な緊張を強いて呼吸器や循環器にまで
悪影響を出してしまうようになるかもしれません。


それに筋肉という軟部組織は長さが変わるものですから距離が一定化できない。
骨が動きの主体になると何回でも同じ場所に射抜く再現性ある打ち込みができます。
骨が筋肉にとっての強固な地盤として認識されていたら、
その骨にまで杭を打ち込む感じで意識をすべきでしょう。


精度のよい動作を要求されるスポーツっていろいろあると思います。
その精度を上げていく方法を追求するにはどうすればいいのか。
それがみえてくるかもしれませんね。



これも動き方の理解の仕方のひとつ。
他にも様々な原理・原則があります。


得てして眼に見えないところや、
初学者には差が見えないような
小さな違いに原理原則が表現されています。
露骨に表面上に現れていないものに興味がわきますね。^-^)



私はブラタモリを見ながら、
こんなことを考えてました。


硬い地盤の上に軟弱地盤があってというのは、骨と筋肉の間柄に似てるところがある。
そう思えたんですね。