チャップマン反射で「腕」をチェックすると

『チャップマン反射』というオステオパシーテクニックのひとつがあります。


見た目は小冊子程度の本の内容なのですが、
意外なほど個人的に好き。
チャップマン反射とは、
リンパの流れの滞りとしてリンパ系
特定の場所に現れる硬結や拘縮などをチェックしていきリリースするもの。



たとえば「腕の反射中心」について書かれていることを抜粋すると次の通り。


腕の循環には
「腹側」は第3,4,5肋骨に小胸筋が付着している部分に神経節上のしこりがあれば、
それは肩、腕、手をめぐる循環の低下を示唆している。


「背側」は
肩甲骨上角及び、第1,2,3肋骨の肩甲骨内側縁に沿った部分。


つまり上述している部位に硬結などの問題点があれば、
腕の状態があまりよろしくないということとなります。



腕を酷使するような方々の場合には、
オーバーユースだったり腕の使い方をもうちょっと磨く必要があるとき、
上述のようなところに問題が出てきてしまうのかもしれません。


私どものお客様の中に、
以前は150キロの豪速球を投げていたとおっしゃられている方がおられます。
ただウエイトトレーニングをやりすぎたとおっしゃられていて
キャッチボールをするときに、腕が気持よく触れなくなったといいます。
野球好きには悲しいことです。


なのでチャップマン反射チェック。
やっぱりチャップマン反射通りのところに
しっかりと問題は発生していました。



ただし腕の付け根となる基底部分が胸郭や胸椎です。
この基底部分に問題があればチャップマン反射通りの腕の部分を解いただけでは
十分な問題解決成果は得られないこともあります。
この方の場合もそうでした。


ですがこのチャップマン反射に関係する部分にはアプローチを施すこと。
それは必要最小限のことなのですよね。


深く問題箇所にあたるリンパの滞りのないように仕上げていくことで、
ずいぶん改善の状況が図られるのは確かですから。
大切なアプローチポイントを紹介してくれている。
それは間違いのないことのように思います。



この本の面白いところは、著者の臨床から得られた知識が紹介されている点です。


「女性の場合、こうした症状が閉経と共に、あるいは閉経後に現れる傾向にある。
重症の神経炎による腕や手の痛みもまた、こうした現象を伴っている。」


確かに閉経後の女性にはこの腕に関する部分に問題が生じやすいことは、
私も感じていました。


知識の裏付けをいただけて嬉しい反面、
自分だけ知ってたわけじゃないのねという気持ちも半分。^-^;


観察眼の鋭い先人は、
私など足元に及ばないほど優れています。
できあがった知識の成果を学ばせていただくだけで手一杯なのは、
情けのないことだと思っています。