筋膜のリリースをする施術とフェルデンクライスメソッドとの相性はい


肩の位置が前にかぶさるような姿勢を
長期間取り続けていた人の場合。


猫背のような姿勢がそれに当たります。


肋骨と肩甲骨の間があいていなければ、
うまく腕が使えません。
腕がうまく挙上しづらくなったり、
後ろに手を回してエプロンの帯を縛りづらくなったり。


前鋸筋や肩甲下筋という肩甲骨と肋骨の間に位置する筋肉があるのですが、
その両者の筋肉が癒着を起こしたりします。
それだけではなく前鋸筋が肋骨の骨膜に癒着してみたり、
肩甲下筋が肩甲骨の骨膜に癒着してみたり。


このような3パターンの癒着が進んで、
肩甲骨と肋骨との間を浮かせてなめらかに滑るように動かせなくなる。
状態がきつくなれば50肩などと呼ばれるような状態ですね。


50肩にも三角筋あたりの外部に露呈した筋肉であれば、
そちらの硬化短縮した部分を緩めるのもイメージしやすいのですが、
このような肩甲骨と肋骨の間の癒着ともなると、
どのようなアプローチで緩めればいいのかが一般の方では見当もつかないと思います。


状態が思わしくない場合には、
生涯にわたり、そのまま固まり動かせなくなります。
つまり癒着した部分を動かすと痛みが出るため動かせなくなり、
稼働できなくなった関節の詰まりがよりきつくなっていき悪化。
そのような自然に改善することは期待できない状態の
悪いサイクルに乗ってしまうからです。



このようすが進みますと、
なかなかどちらの治療院にいっても思わしい成果が得られない。
これは巷でよく聞く話のような気がします。。。



このような場合に、
この部分をリリースするには下手なやり方では太刀打ちできません。
頑張って改善させてあげようとしても、
ちょっと間違えれば肋骨を骨折させたり、鎖骨を骨折させるなどのリスクが高いのです。
それにやり方如何には大人の日本人でも涙が溢れるほど痛みが強くでてしまう。


実際に私がこちらをリリースするときも痛みがでるときがあります。
ただ以前のリリースの仕方よりも大幅に工夫を凝らして改善できたとは自負しています。^-^;



立体として胸郭を捉えきれていないと、
どう肩甲骨と肋骨の動きを助長すれば動かせるかがわからないでしょう。
それに肩甲骨が固く張り付いているときには先行して腸骨の可動域を作り出すこと。
肩甲骨部分のリリースは、腸骨のリリースと相関があるので、
腸骨の周囲の強烈な動きづらい部分の筋肉を処理して動けるようにしてあげれば、
肩甲骨部分の動きが取りやすくすることができる。
また慢性化した50肩のような方の場合には、
なぜ肩が上に上がったままになっていたり、
前に回りこんだままでいたりするかの観察をして、
そうならないようにするための改善策をねらねば、
外的な施術という圧をかけられただけでは、
時間が経てばまた肩甲骨と肋骨の癒着が繰り返される。
それは終わりのない状態です。



たとえばフェルデンクライスメソッドで、
このような肩甲骨の動きの悪さを改善させればいいではないかということもあります。


確かにそれは可能なときもあります。


ただ理想なある程度の肩甲骨をスムースに動かせるような器質的なゆとりがある状態。
個人的には、そのようなときにフェルデンクライスメソッドのようなエクササイズは素晴らしい成果をあげてくれるように感じます。


相当に深いところまで動きの本質について熟知し切るほど研究熱心だったり
優秀極まりない指導者のもとで長時間マンツーマンレッスンを受けられれば、
その限りではないと思います。


肩甲骨と肋骨部位の癒着が進んで久しくなると、
脳はすでに関節の可動域がそこに存在していることさえ思い出せなくなっている。
動かすと痛いという恐怖心が先にでてきているようなときは、
まだ神経の通りがあるのですが、
動かすにも骨膜レベルでの癒着が進めば動きがそこで強烈にロックされて
動かせるような可能性があるという発想がすでに消えてしまっています。


癒着が進んだ筋膜の状態は骨より硬くなる。
これは誇張じゃありません。




骨って意外に曲げることができるような柔軟性が備えれれているんですが、
癒着が進んだ硬化した筋膜には柔軟性が消えて石のように固く冷たい状態。




これが筋膜の癒着が進んで骨化した部分の状態なんです。






このようなものに変わってしまっています。
にっちもさっちも動かない状態であるのに、
それを動かせといわれても動きはしません。



それで無理矢理に動かせば硬化した血液供給が滞った脆い組織が破壊された捻挫状態。
むりをさせてはいけませんし、
甘やかしては動けませんから。



実際にフェルデンクライスメソッドを長年に渡って実践していた人が、
私の施術で癒着を解かれたあと自分の肩がなんの抵抗もなく
楽そうにぐるぐるぐるりと私が腕を回すことに驚いていました。


先ほどまでは腕を上に挙上させることがやっとでしたが、
それでもフェルデンクライスメソッドをする以前よりも良くなったと思っていたのに。
もっと大きな自由が肩関節にはあったんですね。


フェルデンクライスメソッドに感心を持っていた方が適切なリリースを受けることで、
体が感じられる変化が劇的に変わったという方が数名いまして。


筋膜を緩めていくことと同時進行に
フェルデンクライスメソッドのATMような動きを感じ取り
脳に動き方を再プログラミングするようなボディワークを行うと、
相乗する成果が期待できるようです。


その方は私どもの施術とフェルデンクライスメソッドを同時進行に受け、
本人が想像していた以上の若返りと体を動かす楽しさを手に入れました。


施術で解かれた状態になってから、
以前は固まって動けなかったため
適切な肩甲骨のなめらかな動きがかなわなかったのですが、
それができるようになった。
そのときにすかさず理想的な肩甲骨の動き方をフェルデンクライスメソッドのATMで
試行錯誤をしつつ脳に再プログラミングしていきます。
そうして以前の猫背のような姿勢をとるのが不合理だというように、
体が反応してくれるように教育されればその後の戻りがありません。



私はその成果を客観的に観て、
「素晴らしい!!」ってにっこりしてます。