コアをつくって腰椎免荷


丹田あたりにコアをつくりあげていくように。
そしてコアをキープしましょう。』


そんな言葉が、ピラティスなどのスタジオで響く。


コアってなに?


なんだかわかったようでいてわからない。



それもそのはず。
数名の施術家に、コアってどう定義する?と質問をしたら、
それぞれ似通った言葉だけどニュアンスが違う回答がでてきた。
なかなかすっきりと定義しにくいようなものなのかもしれない。
それぞれに体の捉え方などで見え方が変わってくるのだろう。


私がイメージするコア。
それも多岐に渡る機能や状況設定など、
本が一冊かけるほどのものを語れます。


ただ健康でのコアを作り出す必要性に焦点を当ててみると
腰椎椎間板やその周囲の筋肉への運動する際のダメージを
腰椎の前後のグラつきを防ぐようにするものと考えてます。


「腰椎免荷」をかなえるための腰椎のポジション取りができていること。
そしてコアを維持することができるようにする呼吸法により腹筋をコントロール


そのような作業が必要となります。


口で言うと、わかりづらいのです。
解剖学的に仙椎や胸椎には、仙骨には腸骨、胸椎には肋骨のような、
骨によりしっかりガードされてヘルニアのような椎間板に異常なダメージが軽減される
ガードルのようなものが強固に巻かれているものは、
そうやすやすと衝撃などが加えられても持ちこたえられる構造です。


ですが腰椎や頚椎は、椎骨の横突起部分から肋骨のような骨でガードルのように
保護されるような仕組みがないのです。
そのために衝撃を加えられると非情に脆いのです。
そして常日頃から、腰椎や頚椎の周囲に負荷がかかって隣接する起立筋が硬化し萎縮すれば
ちょっとしたことでぎっくり腰になったり、寝違いのようになったり。
ときには椎間板ヘルニアになってしまえるのも腰椎。


そのような脆さがある部分だから、
事故が起きて負傷を負わないようにしておく必要がある。


そのように腰椎にかかる負担を軽減させるためのエアバックのような仕組みを
腹部に創り上げて腰椎の過度な前腕をさせないようにしたままにすること。
それがコアを創り上げてキープした状態といえるでしょう。



それにこの状態を創りだせなければ、
バレエでは足を持ち上げるにもその足は重く、
太極拳で蹴りを出すにもその破壊力は少なく。




腰椎が前湾しすぎた状態で居着いている人は、
骨格の構造上、理想的なコアは作り出せない。


腰椎の前弯が強いのを無視して、
コアを創り上げても非力で腰椎は守られない。
腰椎は、その椎骨の構造的な性質により、
前後に曲げることは比較的に得意だが、
ねじりには弱く故障しやすいのです。


そして腰椎の腰椎免荷ができていれば、
同時に頚椎部分も腰椎の前後の湾曲具合に同期するため、
頚椎もうまく1つずつの頚椎の椎骨が積み上げられます。
そのために首を左右に回すこともストレスなく出来ます。


それが腰椎免荷が効けないような腰椎の前弯があれば
頚椎の前への湾曲がでてきてしまい横に首を捻ることは危険。
腰椎以上に頚椎のほうが、頭という重いおもりが直上にあり
その頭がぐらついてぶれて鞭打ちになって故障しやすいもの。


通常は腰椎免荷があれば腰椎の椎間板はボリュームがでます。
それがコアが私の目から見て作れていないなぁという人では、
コアをつくるときに腹直筋に余計な力みを入れている。


結果的に腹直筋に力みが入ればコアは小さく萎縮して、
腰椎の椎間板にはかえって狭窄させられる緊張がくる。
そのことに対して不都合をあまり感じていない人も多くおられるのが事実だと思います。


この条件の下で、
バレエをしたりピラティス等を練習してみると、
残念ながら練習をすればするほど腰椎の椎間板やその周囲の起立筋にかかる負担が強くなる。
それによって一生懸命に練習しているのに、
なんだかあまり成長できたようには感じられない。
そして腰椎の前弯がきつすぎるような方の場合は、
ちょっとした練習をしただけなのに、
それだけで腰椎部にダメージが蓄積されてしまう。
気づいたら腰椎の椎間板の狭窄の度合いが増して
それを押して左右へ腰部をねじった瞬間に故障する。
その故障もぎっくり腰から椎間板ヘルニアまで様々。



このような故障を起こさせない様にするためにも、
体の使い方を伝えようとするインストラクターの方々は、
腰椎免荷による腰椎部分の負担軽減がコアを造るとできるんですよ、
という内容を必要に応じて解説をしてあげるようにすると親切だと思います。