浄化の視覚化

数多くの施術をしていくと、
なかなか難しいケースもある。


血圧の上がたとえば90を割り込むようなときもそうだ。


一度、体験したことがある人では、
心臓の部位に負担がのしかかって、
それにより体力はあるのに循環器系が問題が出ていて低血圧。


その方は、胸郭にあった心臓を不用意に圧迫し続けている部位を緩めることで、
驚くほど血圧が正常化していった。


幸い、この方を解いてから、
体力が存分にありそうだが
血圧異常があるなといなると、
ひょっとして胸郭の開閉が狭まって心臓部分に圧迫があるのではということが
疑われたりする。
そうして、その通りの結果に喜ぶときがある。



ただしこのような場合は、滅多にない。



通常は、虚脱姿勢をともない長年かけて血圧が低迷している方が多い。
そのときは改善させるのは一筋縄ではいかない。


特に私が施術をし始めてから、最初に出会いましたお客様の低血圧。
バイタルサインの状態は芳しくなく他の施術院もいろいろと通った。
だがまったく血圧の低さは改善されずに上が80代をキープのまま。


呼吸の質が悪いだけではなく、心臓回りの胸郭の問題だけではなく、
大関節の周囲の血管を圧迫させるしこりや腹部大動脈等のしこりなど、
チェックしていかなければならない項目は多い。
他にも多くの問題点を見つけては解放し、見つけては解放しを繰り返す。


そして気づけばすでに一年を過ぎてしまっていた。
血圧的には80台から90後半ヘ移行したのだが、
90台では筋膜の癒着を自らの血圧で溶かす力が
絶対的に少なすぎる。
寝てもその日一日にできた筋膜の癒着分をリセットできない。
そうなると筋膜の癒着が体内奥で蓄積されていくようになる。


結局は、深部までリリースしていくスキルに私が欠けていた。
深層筋をリリースすると言葉で言うのはたやすい。
だが、当時の私は深層筋を解き方の方法を解説した資料は、
私はまだ観た記憶がなかった。
かなり徹底的に、すべての手技療法の本を読み漁ったし、
よさそうな先生がいるとなればお忍びで調べにいきました。
ただ残念だが、私がこれはすごいぞとなるまではなかった。



だがやがて少しずつ自力での施術方法のアイデアを蓄積し、
深層にまで手が届きだした。
そうなると、深層筋の脇に動脈管が通っているため、
深層筋が固まっていて動脈管が圧迫され止血作用があった。
そのようなお客様の改善が図られる傾向が強くなっていった。


そうなるまでには、
一回の施術を受けるたびに、
血液の深層の流れが変わり、
体がその変化の大きさに驚いて対応し順応できるまでぐらぐらになるのだが、
それを乗り越えて深層筋の柔軟性が産まれてきて
血液がスムースに末端の足の踵骨まで流れ来るようになれば、
実に多くの場合が血圧が安定しだしてくる。



そのような同種のお体のパターンを持った方々を見させていただくと、
以前に解かせていただいた方々のリリースしたときにどのようなことをしたら
成績が良くなったのかというノウハウが蓄積されていってます。
私の脳の中に、しっかりデータベースができあがっています。


そうなると、どのような過程で、これからのお客様の体が変化していくのか。
おぼろげながらみえてくる感触があるのです。


つまり、この部分をこうとけばこうなる、というアプローチした裏側には、
明白なそうしなければならない理由がある。
その理由がみえているというのは、他の施術の先生のやり方を真似ていると言うより
純粋に解剖生理学のテキストを参照して自分でどうすればよいかを発想したもの。
かなり深く理解して作りこまれているものですから、
それに関わる仕組みが見えているし、その仕組み上に登場する組織が見えている。



意外に、施術の本を読んでみて、そのまんまをとりあえず見様見真似でとなると、
そんなに深いところまで見なくともそれなりの成果が出るのだが、
その施術法をみつけたもの以上の成果が出せるようなことはない。


それではその仕組のポイントが単一化された目立ったところしか観ていない。
そのため応用する範囲が狭められてしまうことが多いようです。
その先生方の取り組み方次第なので、
ひとつの施術法をたたき台にしてうまく伸びられる先生は別ですが。




自作していく施術法のよいところは、
他人には見えないだろう裏付けが相当分あって、
それをどう調理してひとつの施術法にパックするか。
いかようにでも選べる点なのでしょう。
決定的な基本はあるのだが、
それを押さえ組み合わせを工夫させれば応用範囲が広い。


私の場合は、そうなると瞬間的に、
どのような仕組みで浄化されるか、
そのヴィジョンが視覚化されて見えています。


リアルにその時系列的過程をすでに体験したかのように見えています。


それなので、実際はまだ解いてないのに、
すでに解いて終わったような感覚を持つ。
そのような感触を持つことがあるのです。



それができてくると、
施術をしてどのような成果が出るかの因果律が見えてきます。
解いて進まなければ不測の部分が奥に闇のように広がっていることがあって、
そのときどきにクロスワードパズルを解くようなことがほとんどですから。
どれくらいでお客様の望んだ状態にまでなれるかの正確性はないのですが、
最低限、これくらの労力は費やされるということはヴィジョンでみている。
つまりたいていは、そのヴィジョンでみている分と、
プラスして不測の部分の様子をおおよそあるだろうということで、
長めの期間をかかるだろうというようになるのです。



そしてときとして私は、
浄化をされていく姿を強烈に視覚化されていくと、
まさにそのようなステージに体の状態が改善する。
そのようになっていくことを身をもって体験しています。



ですが自分の施術法が、
毎週のように練りこまれて変化し、
深化しているようなときは、
強いフロー感覚があります。


明日、または次の瞬間の自分の変化する様子が読めません。


ただそのようなヴィジョンが観えてしまうと、
かなりの無茶をした微妙な映像をみてしまう。


ヴィジョンがみえているとそれが脳内でシュミレーションしてることになって
体の筋肉の各部位がそれに反応して、
すでに体験した感覚になっています。


そうなるとなぜだか今現在、
信じられないほどの便利なツールを使って解けるようになった。


その信じられないほどのというのは、
実際にリリース感をみて私が驚いた。


これって私が望んでいた回答がある。
それも長年かけて苦闘してきたもの。
これが答えだったのかと腑に落ちた。



それはありがたいことだが、
ヴィジョンで疑似体験するとそれをするのが当然のように思えるのだが、
ときどきあまりに冷静な人では思いつかないようなことをし始めるので、
いいかげんにしてよね!と言いたくなることもある。


お客様の安全や快適性は考慮に入れてるのですが、
施術者の自分に対してのそういったところは無視。


きつかったらそれが新たな体の使い方を開発するためのきっかけでしょ?
とでも言いたげに難題を投げかけてくれるのです。


自分の体に対しての浄化の視覚化能力はまだない。
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