アドラー心理学の勇気づけによる会話ができれば・・・

アドラー心理学にハマっているんです。

施術をするときに、身体を改善させるための物理的圧をかける技術を研究してきました。

ですが以前からそれだけでは不十分だということは感じ取れていました。

たとえば、
私が幾度も体験したことがあります。
もう7年くらい前のことです。
不妊症の方が、私どもの施術を受けて40代で無事に初産。
そのようなことを口つてで聞き、
同じように不妊症で困っていた方がお見えになられました。

ただ私どものところで40代で無事に初産へと至った方は、
不妊症を改善させる目的で通ってきたわけではありません。

腰痛、虚弱体質、低血圧、更年期のはじまり、、、、
などの都合で少しでも施術で改善できるならという思い。
それですから徐々に施術を繰り返していき血圧が改善し
腰痛がなくなってくるよう身体の使い方を学んでいき
お休みの日は午前中いっぱいは絶対に起きられなかったのが
朝からるんるんでという状態に体が変わってきた。

そんなときに、
妊娠したので次回の施術をキャンセルさせてくださいメールが。

私はそのお客様が、
不妊症だということでお悩みであったことは知りませんでした。
ご本人も不妊症が施術で改善するという認識はなくて、
現実的にはもう妊娠出産が難しいだろうと諦めておられたので
私にはそのようなことをお伝えしていなかったのです。

そしてこのお客様が、お友達の不妊症で悩んでおられる女性に
事の次第をお話ししてくれて、即座にそのお友達が予約をと。

ただこのときのお客様がおしゃられた言葉が
「一度の施術で妊娠しますよね」ということ。

私にしてみればそんなことはそのようなことはありえない。
すでに10年も人工授精などを繰り返されています。
そして昨今では男性が不妊原因となることも多くて
女性側の一度の施術で即妊娠というのは発想できなかったのです。

そのときに私は、
「私どもの施術は体の全体的なコンディションが整えられるようにアプローチをしていくもので、
お友達のお客様が妊娠なされたのは体調が改善されての上で起きたことです。
なのでまずはいくつかございますお身体の問題点を改善させていくことに取り組んでいきませんか?」
とお伝えしました。

施術は、人それぞれの体の状態が違う。
100人の人がいれば100通りの状況がある。
そんな千差万別なものだから、
安易に甘言を述べてしまいたくはない。
あとでそのようにならなかったときの
大きな失望感は、後のトラブルのもとになる。

私はベストを尽くすということはお約束できますが、
結果は箱を開けてみなければわからないのです。

おそらく40代の不妊症であった女性以外にも
何名もの不妊症で悩んでいた方が妊娠出産へ。
そのようなこともあるので悲観的なことばかりではないと思う。
ですが慎重な言葉遣いをしなければならない。
施術成果に自信がないと思われてしまうが、
施術を受けていくことで確かに改善が積み重なれているという実感が、
そこに明るい期待を与えてくれるものなのです。

そこまでお通いいただけましたら、
言葉ではなく状況変化で信じられるようになってたでしょう。

女性は切羽詰まった心境であったのだと思います。
そんな私は時間がないといって、
施術を受けずに施術料金だけを置いてとっとと帰ろうとされました。
結果的に説得虚しく、
施術料金はいただかずにお帰りいただくことになりました。

大変に残念な気持ちで、やりきれない思いでした。

施術は技術です。
奇跡などはありません。
大方のところは、
数学の公式のようなものがあって、
いくつものステージをクリアして、
そして目的の地まで上り詰める。
そのようなものなのです。

だから身体をチェックさせていただく前に、
妊娠できるかどうか問題を語ることは困難。

その時点で話が潰えたことが、
お客様に対しても申し訳なく思います。


そのときに、
アドラー心理学の勇気づける精神が私の中に根付いていたら。
状況が少し違っていたかもしれません。


統合失調症で、
15年も病床についていたニジンスキー
一度だけアドラー博士が殻と話をしたことがあります。
ずっと寝たままだったニジンスキーが、
ただ一度のアドラー博士のカウンセリングで、
身体を起こしてクラシック音楽に耳を傾けた。
ただニジンスキーアドラー博士の病院へいくことを拒み、
アドラー博士とのカウンセリングは、そのただ一度で終わってしまったのだが。

もしニジンスキーアドラー博士の病院へ通うようになり、
統合失調症が改善していたのならばどうなっただろうか。

そんな想像をしてしまいます。

アドラー博士の勇気づけというわれる会話の中には、
相手を大切に尊重するマインドがあります。
アドラーの思い出」という本があり、
アドラー博士が起こした勇気づけのマジックを体験した人たちが手記しているところもある。

よい施術には、この勇気づけをする力が強い味方となると思います。


とうとう、私も施術の技術ばかりから、
マインドのところまで手が出せるようになったか。^-^;
そう思うとちょっとうれしくなります。

研究しなくっちゃ。