圧を使い分ける

いつも強い圧をかけてばかりで、
大変お疲れになるでしょうとお客様におっしゃっていただきました。


筋膜系の強い凝りや炎症を緩めるには、適量を考慮した強めの圧をかけます。
すると痛みが鎮静化してくれます。
それに硬化が著しい筋膜の癒着部分は、ソフトに圧をかけていては皮膚抵抗にさえ跳ね返されてしまう。
それでは解き進めることができません。


ただ強い圧をかけてはならないときもあります。


末梢神経系の問題がある場合。
神経が麻痺をしていたり感覚があまりなかったりするとき。
脳へとアプローチをするとき。
そのときには弱めに圧をかけたほうが効果が出ます。


強くもんだり圧迫をすると皮膚抵抗により皮膚層が硬くなって、
自己防衛を図ろうとします。
圧が皮膚のバリアで跳ね返される感じですね。


そのような強い圧をかけれれれば全身の交感神経が興奮状態になります。
すると麻痺をしている部分のみに、
エリア特定したアプローチができません。


そのときは軽いタッピングをする程度の刺激や触るか触れる程度の弱い圧では強い皮膚抵抗がさほど起きません。
圧がすーっと皮膚をすり抜けてくれる。
そして神経へと届いてくれる。


弱い刺激を受けたときには、
不快感もなく副交感神経を刺激をしてくれているリラックス状態。
すると刺激の様子を探ろうとしてくれる。
そしてこの圧はどういった質の圧かと神経が聞き耳をたてている。
そのような反応を利用し神経系へのアプローチテクニックを使う。





私は施術中に、
私的には意図しながら神経系にアプローチするためこのような弱い圧を使っています。


たとえばキネシオロジー系のセラピーテクニックのうち、
ニューロリンクやEFTTFTなどのタッピングなどを用いたものは、
弱い圧で刺激を与えて脳へアプローチをするようなものですから。
それらのテクニックのエッセンスを適用していたりするのですね。



ただ、おそらくお客様はそのことには気づかれていないと想います。


同業者のしっかりした整体の先生に施術をさせていただいているときに、
そのようなアプローチを受けて神経系を活性化させられているということに
気づいておられませんでしたので。


本当は強い刺激と弱い刺激を短時間に使い分けるというのはめまぐるしくなるので、
あまりよいことではないのですが。。。


施術回数が進んでいって体の状態がかなり改善してきた方などに、
長時間の施術をしているので要所でここを使い分けております。