アイロンとカッピング

先日、スポーツを職業でなさっている方にアドバイスをしている方が
懇意にしておられる選手にアドバイスとして、
『アイロン療法やカッピングなどをシーズンオフにやってみようかと・・・』
とおっしゃられていた方がおられました。



どちらもやってみると、
意外と成果が高いのです。





個人的感想ですが、
アイロン療法はやけどが怖い。


私がアイロンこてでやりはじめの当初、
どのくらいの熱さ設定にすればいいか、
本を読んでもわかったようなわからないような。
自力で試行錯誤するのはおっかなびっくりです。
ひとりで「うぉっ、あちぇぃぃ・・・ア・チ・チ・チ」とジタバタダンス。


ひとつやふたつ、火傷をするのを覚悟して学習していくしかなかった。
それが私の自身で試した人体実験でした。


ただ瞬時に熱が体の中に入り込んで、
こわばった筋肉がリセットできます。


それは合理的だと思いました。
アイロンで患部を狙い撃ちできます。
脳もここに注目!といった形での注視モードになり、
それも成果が上がる秘密なのでしょう。





次に、カッピング療法。


こちらはやったことがある人ならばわかるでしょう。


カップを押し当てて真空にしたあと数分など放置するわけですが、
そうすると赤かったり黒い墨色だったりとあとがつくわけです。
場所により、人により、
そのあとのでかたはかわります。


肝臓病の友達にカッピングをしたら、
たまたまかもしれませんが、
すべてのカップのあとが黒い墨色に。
水墨画のような絵を背中に描くことができました。



筋膜の間には滑液といった潤滑油があって、
それでぺたぺたと粘りやすい筋膜がするするっと滑って動ける仕組み。
無色透明の潤滑油です。


ですがこのときは体内の滑液が代謝されずに古いものが蓄積されていて、
本来は無色透明だった油が、スナック菓子を10ぺんも同じ油で上げたのこり油のような、
酸化された黒さになります。
ネバネバとして滑りが悪い。


隣同士の筋肉を巻く筋膜が引っかかって動きがわるくなっています。
酸化された潤滑油が溜まる場所はコリも感じるでしょう。
慢性的な疲労感が続くようにもなるのがこのような状態。


それがカッピングをすると、
もんもんのようにでてくる。
皮膚の下に、現れてくる。


そのもんもんを触られると、
非常に強い痛みが出て驚くこともあります。


カッピングをしなければ、
使い古しの老廃物化した潤滑油が居座り続け、
新しい潤滑油を運びいることができません。
それにより筋膜の癒着が起こりやすい体質を続ける。


そのようなデメリットを潜在的に持つ状態から抜け出すためには
カッピングは良い手助けとなるでしょう。


体内の老廃物を排泄するための手助けをしています。


運動を日頃からしている方が、
疲労回復の促進のために行えば赤いあとが残ることも。


なのでカッピングはやってみないとどのような跡が出るかわからない。
昨日までは、赤いマークだったのが今日はつかれていて黒い墨色に。
またはその逆になる時もあるのですし、
体の場所により疲労が蓄積しているところほど黒くなることもある。


あとがなぜつくか、は皮膚に炎症が起きているのですね。
皮膚に炎症が起こることで、免疫力を高めているのです。
炎症が起こりますと体内でその炎症を抑えこもうとしたり炎症部の根源を叩くために
免疫物質を体が自動的に創りだしてくれるのです。
そうすること免疫機能が高まります。


炎症を起こさせるときに、
このカッピングのカップのあとが赤い色だったら数日で消えることが多いのですが
黒い墨色になれば一週間とかそれ以上の間、ずっとマークがつき続けることがあり。
いずれにせよ、免疫物質は血液の中を通って運ばれることもあって、
ずっと血液の循環をいつもよりも良い状態にキープさせる反応です。


つまりカップのあとがついている間じゅう、
その循環器の働きが激しいことになり続け、
眠くなったりだるくなったりします。


脳波のレベルは、
だるさがあるときにはα波からθ波など
リラックス状態を示しているのです。


そのリラックス状態が激しい反応としてでたら、
運動能力のパフォーマンスが低下することも起こりえます。


なので、このような推測もできるならばシーズンオフに試すのが妥当となりましょうか。^-^)



ただこの赤い炎症が出ることで免疫機能が高まりますのも、
体力がある程度ある状態でなければ起こりません。


体調が思わしくない方に、何度かカッピングをしたがあとが残りませんでした。
それは体調がよいわけではない結果ではありません。
低血圧が強すぎて陰と陽では陰に傾きが強く虚証で免疫機能が高まる反応が
生じにくくなっていることがあります。


そのような方の場合、
施術等である程度の代謝力を回復させていき、
体質が安定しやすく立てなおしていくと、
カッピングあとが現れてくるようになる。


あとはアイロン療法でも、
体調が低下した状態で維持している方は反応が鈍い。
それによりその療法を幾度かしても体調の変化を感じられず、
効果がないからやる必要なしとしてやめてしまう人もいます。
この場合は、本当はもっと丁寧に継続して行なうべきだった。
そのような状況といえることもあるようですね。


体が陰に傾きますと反応がさっさと出てきてはくれませんから。
粘って繰り返さねばならないこともあります。


ただ陰陽の「陽に過多の方」がやってみると、
ちょっとした刺激でも反応が激しく出てしまう。
強めにいきなりやると、
もう懲り懲りといえるような、
つらい反応が出てきてしまう。


なので自身の体質の虚実の見方がわかっていれば、
いろいろな療法を取り入れるにも一定の目安にできるのでは?


実証の方は反応が早く出るので、
この療法はすごいな〜となるが、
虚証の過多の方は反応が遅くて、
この療法は私には合わないし効かないとなる。


そうなると特に虚証の方で最近の方々は、
気長に取り組んでみてくださいといわれても、
仕事が忙しくてなかなかそうも言ってられないよ!となる。
そうなると長続きしなくて、
なかなか体質を改善させるまでの気力の蓄積ができません。


そこらへんの見極めって、大切ですね。