筋肉連鎖による末梢神経のしびれの対応

筋肉はたいていは2つの骨の付着点を持つ。
そして神経からの短くなれ命令で短くなり関節を挟んで骨を近づける。


筋肉ごとに目的の機能があるのですが、
ただ体のパーツを分けて動かすのは体の全身を動かすという総目的があってのこと。


一本ごとの各筋肉はただ分断されてバラバラに作動するのではなく、
それぞれが連携をとります。
この筋肉が動くと自動的に関連して影響が伝わる筋肉に牽引等の力が発生していく。


そのような筋肉同士の連携具合をみて、筋肉が連鎖的に動いているんだなとわかる。


たとえばその筋肉連鎖について参考になるのは、
ひとつはアナトミー・トレインでしょうか。
私どもの体の動き方を研究している人たちには、定番化してきた見方なのでしょうか。
アナトミー・トレイン [DVD付] 第2版―徒手運動療法のための筋筋膜経線
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また以下の本にも他にもいくつかの画期的な筋肉連鎖についての定義があり、非常に興味深いですね。
体をテンセグリティ的な構造体として編み込んでいるイメージや、
垂直系でみたり、水平系でみたりと人体を把握するときの補助線的なマークをつけることで、
より深く実用的に体を見つめ通すことができるようになるのが面白い。
手技療法とオステオパシーにおけるトリガーポイントと筋肉連鎖 (GAIA BOOKS)
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そしてたとえばひどい腰痛だというときに、
もちろん腰部の直接的に腫れ上がり痛みがある部分に問題がありそうだとはわかります。


腫れた部分にとにかくシップを貼ってみようか、と本能的に思います。


でもそれで治るようなものは打ち身のような感じの患部がその部分に限定されている。
つまり筋肉連鎖を伝わって関連している筋肉からの影響がないようなときでしょうか。


だから数日しても痛みが引かないときもあります。
腫れ上がっている腰部に関連した筋肉連鎖がどこかなと探します。


すると腰部の筋肉を辛くさせる引き金になる
筋肉連鎖上の筋肉の肥大や萎縮により腰椎のズレを作り出しているような部分が潜んでいます。


そうするとこの筋肉連鎖上の腰部の痛みを起こす引き金になった筋肉が見つかります。
ハムストリングの張りや大腰筋の異常な緊張、それに腹直筋の硬化など他にもいくつもの筋肉連鎖を通して眺められる腰部との連携する筋肉の異常を発見することがでたとします。


するとこの筋肉連鎖をしている部分を緩めると、
腰部の異常な痛みなどが半減したり無痛に近づいたりという改善が起きてきます。


ここで施術者サイドの見方ですが、
筋肉連鎖という筋肉同士の連鎖があると認識すれば、
実はまだ誰にも公表されていないような筋肉連鎖を
臨床をしながら気づくことがあるのです。


注意深く観察していくと、
筋肉連鎖と経絡の走行がオーバーラップしているところをうなづけます。
これはアナトミー・トレインの第二版にも記されていました。
経絡の専門家の先生なら体表に現れていない体の奥に存在する経絡の走行を見通します。
自律神経系に関連が深いと推測される経絡です。
経絡の専門書を見つつ、この経絡の流れが悪くなればどのような症状が起きるかを理解。
そうしていけば筋肉連鎖で経絡を読みそれから症を推測していくようなことにつながる。
とっても便利です。


そして末梢神経障害を起こしやすい場所もあわせて知っていればなおよい。
神経のしびれに改善をもたらしやすくなるようです。
太い神経は酸素が少なくなると働きが鈍り、
細い神経は冷たさで働きが鈍るということは知られています。


その酸素が少なくなる状態へは、
筋肉や靭帯や骨で神経が圧迫を受けたり引き伸ばされたりすることでも起こります。
そのときに筋肉連鎖を考慮すると、それが引き金になることがあるとわかる。


筋肉が硬化して骨がずらされ血管を圧迫されたり、
神経が隣の当たりの硬くなった組織とひっついてしまい、
酸素の供給量が減ることはときどきみかけます。


神経が深いところを走行している部位を観察するときに、
末梢神経を圧迫しやすいところに関係しそうな問題箇所に関係する筋肉連鎖を広く調べていきます。
筋肉連鎖上の問題点を見つければリリース。


それで長年の悩みになっていた神経のしびれが改善するようなこともあった。


この筋肉連鎖上の関連部分をひたすらに見つけようとすると、
関連パターンをいくつ把握しているかということも大切ですし、
その関連パターンを総当り的にどれがヒットするかをみていく粘り強い姿勢も必要です。


深層部の神経の問題の発生には表層の神経にはないような難しさがあります。


しびれという末梢神経の問題点を解いていくときには、
意外なほど難しさがある場合も多いのです。
多年に渡りそれで苦痛を感じていたりする。


もしも当該部分のしびれている原因の特定箇所を丁寧に緩めても、
再度ぶり返すことが多いのも悩みの種です。


このようなときは一見するとどこ解いてるのよといわれそうな、
筋肉連鎖で深部の神経を圧迫牽引などを起こさせる体中の引き金を緩める。


深層部の筋肉や骨や靭帯によって血管が圧迫されているときには、
この筋肉連鎖で丁寧に時間をかけて見ていくと再度ぶり返すしびれの不安も少ないため、
成果がいいなと思います。