深層筋を読み解きリリースする難しさと大事さと。


ひとそれぞれ、
しこりの体の中にある具合は異なっている。


それを見抜くのも、
容易ではありません。


一苦労です。


なにせそれは皮膚の奥にあります。


簡単にわかるわけないじゃないですか。^-^;


不調になる際の時期にあったきっかけをきいたり、
体の歪み方を見たり、
体温の患部とそうでないところとを比較したり、
経絡のダメージ具合をチェックしたり。
できる手を使い果たしてもわからないこともあります。



単純な一層構造で、スキューバ・ダイビングをするときに着るウエットスーツを着込んでるなら、
簡単にわかるんです。
そのウエットスーツの着方がしわしわになって着込んでおられるので、
そのシワをなめしていくように寄り集まったシワを伸ばすようにする。
着込んでいるウエットスーツのシワを拭うのもピチピチして張り付いていているので大変ですが。



ですが、それくらい
それはしこりになっている層が多層構造になっている。
そこには奥行きが浅くなったり深くなったりしている。
潜り込み、浅くなり。
これは経絡の走行箇所の知識があるとわかりますが、
単純にウエットスーツの重ね着をした程度ではない。


だからそうなるとリリースをしていく過程で、
どのようになっているのかを観察していき、
私のイマジネーションを司る部分で映像化。


体を一部のユニットとしての部分をみることも大切ですが、
常にその部分は他の部分とどのように関わっているのかを
関連を読みながら見ていく必要があるのです。


そうしなければ深くリリースするのは
違和感の強い状態の変化が急激となる。
体を積み木だと思えば、
ひとつずつ丁寧に重みのバランスを取りつつ重ねていく感じです。


体の足部、脚部、骨盤部、胴体、腕、首、頭部などを、
単純に言えば積み木のひとつずつのパートだと思えば
わかりやすいでしょうか。
(本当はそんなに単純じゃないですけど)


いきなり基底部を上に乗っかる部分を考えずに大幅移動させたり、
最上部にある非常に重量感ある頭部をぐらつかせるようならば、
積み木がいっきに崩れ去るような具合になり危険だろうと思う。


とりあえず積み木がいっきに崩壊しないようにどこか大きな筋肉で必死に支え続ける。


そうなると腰が悪い人ならば、
ギックリ腰に近いようなまで
大腰筋や起立筋を痛める。


自然な重力線に沿った体がある程度、
本能的に推測できるような変位に収まらない。
自然な利き足側が硬化して骨盤が下降してとなっていれば、
鼠径部の動脈等を塞ぐ量をできるだけ少なくしていこうと
どこかの誰かがしてくれているようだ。
ただ長い年月、そのままにしていけば
徐々に体の変位が大きくなって詰まっていく量が増えるが。
そこまでいくにはかなりの時間がかかっていて、
状態を取り戻せるまでの猶予が与えられている。


ですが施術という人的な操作が入るときには、
あまりにも急激な変化が体に起こされます。
あまりうまくない施術であればあるほど
体の歪みゆくストーリーを読み解かないので、
体の中の異様な張りや詰まりなどが残ります。


私にも人工的なダメージを受けた方の体は見分けることは、
施術を受けたそのときにどのような操作を受けたかを覚えておられて寸分違わず教えていただけなければ
「?」というように、読み込めないようなところが多くなる。


からしかたないから、
「とりあえずやってみましょう」という事となります。


そういう言う意味合いで見れば、
深層筋部分まで手をだすことは
とても慎重でなければならない。


そのように思います。


本質的な骨格の歪みを作るのが
深層筋部分ですから。
ここを変えることは、
積み木がいっきに並び替えられることにもなりかねない。


だから、怖いところでもあるのでしょう。




ただ、、、
深層筋部分を緩められないと変わらない人もいます。


ケースとしては、
先日お通いいただけたお客様。


体の表層筋や中層筋が柔軟だ。
筋肉のパワーがあります。
腰部の前傾はきついが、体格的に問題なし。


ですがしょっちゅう体のここかしこがつってしまう。


単純ですが表層筋や中層筋のコンディションがいい。
体のそこかしこをつってしまわれるような筋膜同士の引っ掛かり、
広く見れば骨膜と筋膜、腱膜との引っ掛かりなどによりつった状態がでる。


つまり深層部分のつらせる働きかけがあるのでしょう。


でもあまりにも表層筋や中層筋が柔軟で感じがいい。
深層筋部分だけがそんなに硬くなるなんて考えられないのでは、となるかもしれません。


もし筋膜という膜構造を何層にも多層構造に思い、
それぞれの層の特異性を与え考えればどうでしょう。


ただ深層筋は体を支え続ける力を持つばかりではなく、
動脈等を縛り付ける生命の根幹に関わる部分の代謝
ここで司ってもいますから。


大木にツタが絡みついて木が枯れているのを見ていればわかるでしょう。
そのようなことは人体にも起こっております。
気づかないうちに軟部組織が柔軟性を失われ、
重要な血管やリンパ管などが詰まってエネルギー代謝が悪くなり、
神経系やホルモンなどの体の悪いところができればそれを調整するなどの生命の恒常性を働きづらくする。


この最奥部の深層筋という層の組織のダメージが、
ずっと放置されることはその後のリスクが高まる。


というのは深層筋部分は長年かけて堆積した地層の最下層のようなもので、
徐々に押しつぶされていくだけですので、
ここが柔らかさを取り戻されるまでたがやされるのは表層や中層の地層に埋蔵されている。


だからそこを取り除かないと、深層部が柔軟化することは自然に起こりません。


もしもそんなに深層部がダメージがなければ、
独自のムーブメントや温泉等でも成果がある。
ですがあまりに深層筋が硬ければ、
思ったほどの成果があがらないし。


だから人工的に施術というもので
リスクがあるものの緩める必要が。


そこいらへんが厄介なところです。





最後に。
深層筋をリリースする施術院とはどちらがいいですか?と問われることがあります。
どちらかの施術院で深層筋を解いてもらったが、
変化なしでがっかりしたという方もおられます。


残念ですが多くの筋膜を解く先生の詳細を熟知しておらずランク付けもできません。


ただ私自身が、自分が日頃している仕事では、
これは深層筋を解いてというところまでして
得られた成果が非常に多いですね。
どこまでのことがそうすることで
得られるのだろうか。


課題として、私はそれを知りたいと思います。


常に神が見ているから手を抜くなという、確かドラッカーのような視点で仕事をみていますから。