理想の仕事があるかどうか。


整体院を経営するに際し、
微妙に腰が引けてしまうデータがありました。


厚生労働省が把握している
「あん摩、マッサージ及び指圧等を行う施術所数の年次推移」 を見ると


2006年:108,139施設
2008年:114,082施設
2010年:117,989施設(東日本大震災の影響により、宮城県は含まれていない)


と年々増加しています。


コンビニが4万強で、
コンビニの3倍程度だそうです。


これは整体屋さんなどのデータは厚生省へ登録義務がなく管轄ではないので、
上記にあげておいたデータ数より、もっと数はふくれあがるようになります。



施術院は増えても、
それに見合ったお客様の数が年々増えていくわけではありません。


そうなるとせっかく開業をしたが、
食べていくことができない先生も。


そうなると、1000人に1人程度くらいしか経営上成り立たないのでは?


ですから私の感覚では、
5年間以上、乱高下をしながらも、
経営を続けてきているところには、
一芸に秀でる技術力ばかりではなく、
営業力、先生の人間的魅力などが備わっていると思います。


そのような先生方なのですが、
経営上大変なときもあるので、
そんなときには他の業種につけばよかったと互いに愚痴ることもあります。


「もっと楽な仕事につきゃよかったよな〜」といった感じです。




ですがそうとばかりは言えないのかもしれません。


社員研修を生業にしている方から聴いたことがあります。


押しも押されもせぬ、誰もがご存知の一流企業。
そのような一流企業に研修にでかけたならば、
社員皆さん、福利厚生が整えられて生活も安定。
他の小規模な中小企業ではありえない待遇です。
労働環境もコンプライアンスを順守されていて、
働きやすそうです。


私から見れば、
「それ、いいね!」と思うような企業に務めているのにもかかわらず、
やはり働いている方の声を聞いてみると、
一方ならぬ苦労を感じている社員が多い。


そうなると、
「理想の仕事」というものを求めて就職をしたのですが、
入社してみるとそのようなものは幻想に近いものと思う。
どの会社も理想の仕事を提供してはくれるものではない。


そこにあるのは、
その仕事に自分をあわせて満足できるようにできている人間がいるかどうか。


その仕事に喜びや充実感を感じて務めることができれば、
学びも多く疲労感も少なく感じますよね。


嫌々務めている感のストレスがないだけ、
仕事疲れも抜けやすくなっているのです。


職業にも多様性を求められるような時代。


施術院での仕事は、
先生が肉体が疲弊して過労死することもあるものです。
経営を続けられる状況にあり続けられるかどうかも不安材料が多いので、
現在は順風満帆な施術院もうかうかしていてはどうなるかもわからない。


だから理想の仕事を求めているとすると、
他業種も相当に大変なものも多いですが、
施術院も相当に大変なものでもあります。


それを承知で、
性根を据えて取り組むためのモチベーションの火を燃やし続けられる人は、
理想の仕事が天から降ってくるのを求めているうちは苦しく感じてしまい、
それを自分の理想の仕事に作り変えるための努力をするし、
その結果で理想の仕事に就けてよかったといえるのですね。


これからは、ある程度、ホンモノじゃないと、
対価をもらえない時代になるといいますから。
仕事に取り組む姿勢にも、厳しさがあります。


ですが日々、着々と成長を続ける自分を成長させる志向が的を射たようであれば、
私の体験もそうですが、私の周りの施術者も、それなりに生活ができております。


だから、もし粘り強く努力を惜しまず整体院を経営したいという方がいれば、
どんなにデータ上は狭き門であっても驚かなくてもいい。



そう思ったりする、今日このごろです。^-^)