腹部大動脈と腹部大静脈の交点ポイント


もし腰椎が前弯するようであれば、
腹腔の前後の幅が狭まることになります。
そうなると、
腹部大静脈と腹部大静脈の折り重なるポイント部分に、
血流を制限させるような圧迫が加わることがあります。


腹部大動脈-解説つき.png


腹部大動脈も腹部大静脈も、
互いに血液が満たされたポンポンの張りある血管チューブです。


心臓から1/3の血液は頭部へ流れ込む。
脳が大量の栄養素を消費しますので、
多めの血液が頭部に当てられている。
そして2/3よりかは減るが腹部大動脈へ。
けっこう大量の血液が流れ込んでいて、
腹部の動脈に流れているのですね。


つまり腹部大動脈とは、
血液がかなりたくさん流れる血管なんです。
そして心臓へ返ってくる腹部大静脈も、
行ったもんと同量が返ってくるわけで。

だからこの2つの血管に当たりが強くなると、
両者が血液の流れを減少させるような問題を引き起こしてしまう。


効率よく血液の流れを動脈も静脈も両者とも減じてしまうような、
ダブルパンチを与えてしまうようなウィークポイントだ。
だから私ども施術をするものは、
腹部大動脈と腹部大静脈とが交わる点に手を置きます。
健康な状態であれば、
さほどの脈動は感じられないでしょう。
ですがこれらの血管同士がぶつかり合っていたり、周囲の組織と癒着が進んでおりましたら、
またはその他の問題があれば、
「ドクドク」という脈動が強い。
あまりに強い時には、キンキンした金属的な高い脈音に感じるだろう。


多くの花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を持たれている人、
生理痛などの婦人科系の問題、
または強い精神的ストレスを継続して感じている人、
または腹部の動脈瘤や静脈瘤などがある場合などが、
このような問題あるような脈音がしてくる。
(このような症状がある方は、この腹部の脈音が高鳴らないようにしていくことが必須だと思います。)


ただし、症状が進んでいる方などは、
あまりに強く腹部大動脈等の交点周囲の癒着が強く、
しっかりその周囲を緩めないと脈音がしてこないときもある。
その場合は「ドクンドクン」と強い脈音がないから大丈夫と思わずに、
リリースが進んでからモニターしてみたほうが正確な情報が得られるだろう。


そういった兼ね合いがあるため、
押さえるべき点などをしっかり把握して、
チェックしてみてもいいのではないか。


内臓疾患や免疫力が低下するなどのことは、
手足や頭部に流れるべき血液の一部が腹部に滞留して、
全身への清らかな血液循環が妨げられたときに起きやすいという。


それは鼠径部のしこりがそこで血液をせき止め、
腹部に血液を留める力も合わせ技となり、
かなり腹部に血液が滞留してしまうことがある。
(腹部のしこりが大きい場合、ほとんどのケースで鼠径部のしこりで動脈と静脈を圧迫し血流阻害しているようです)


腹部のチェックをしっかり研究をしてみますと、
腹部の暖かさや緩み具合や硬さや、形状などで、
様々な情報を得ることができます。






施術の知識として、
大動脈を押さえこむことで、
血液誘導をすることができる。


血液誘導.png


たとえばへそ下で左右に分岐した腹部大動脈の右側分枝血管を押さえこむと、
右側脚部に流れる動脈血管への血流量が減少する。
そうなると左側の脚部へ流れる動脈血管へ血液流量が増加することになる。


もしも左側脚部の血流が悪く末端の毛細血管まで血液が流れづらいようならば、
右側に分枝した腹部大静脈を押して血液の流れを制御する。



ただこれは血液がいきづらくなるように一時的にされる側が出るため、
リスクもともなう。
だから忌避症状として、
次のような症状をお持ちの方に対しては絶対に避けるべき。


高血圧、脳卒中、心臓病、循環系の問題、網膜剥離動脈瘤
糖尿病、神経痛、椎間板ヘルニアの患者などには行なうべきではない。
静脈瘤、血栓症(血管内の凝固)、あるいは静脈炎のある人にも施術してはならない。
また子宮筋腫や内膜症なども、事後に問題がでることがあった。


なぜ、このようなところまで書くかと申しますと、
以前腹部マッサージが流行っていたときに、
または血管を圧迫することでのトレーニングで、
トラブルが出たと身内(含むお客様)レベルで聴いたからだ。


友達や親族の体の不調を解放するために内臓のマッサージ。
良かれと思って頑張ったはずだったのに、
やり方がアバウトすぎたり、
やってはいけませんよ、
という規定がいい加減なら、
後に問題が出てそれがずっと続いてしまうこともあるから。


とある内臓マッサージの本では、
お腹の奥をぐいぐいぐいっと強く押しとけと、
かいてあったっても真に受けるべきではない。


一部の内臓は、
ほとんど骨格筋と同じように、
硬化萎縮するし周囲と癒着も起こす。
もともと内臓も骨格筋と同じような、
筋肉のパワーがあるので、
消化器の消化作業を遂行できる。


ただ、だから内臓もそうなると石と似た硬さと冷たさとなる。


そういうことですから、
どうしても腹部にそんなきつい硬い状態になっていたら、
本能的に嫌で嫌で、取りたくて取りたくて、となります。


だからどうにか内臓をゆるめたいという気持ちが生まれ、
内臓をマッサージすることが流行ったのですが。


太ももや臀部などの筋肉のような骨格を動かす骨格筋と比べて、
遥かに内臓は繊細です。
その内臓に関係している関連する内臓を引き攣らせる骨格筋を
先行して徹底して解いておかずに内臓の当該部分を解くと、
緩められた内臓が、リリース前以上に引き攣らせる骨格筋に持っていかれて、
自らの機能をより制限させられてしまうことも起こります。



私は、内臓のマッサージ系の本は、
オステオパシー系の「内臓マニュピレーション」や
知る人ぞ知るマンタクチャの「気内臓療法」などで
基本的なところを把握させていただきました。


「内臓マニュピレーション」は、施術経験がある方にとって、
とてもシンプルなわかりやすい手技です。


気内臓療法」は、気功の先生でもあるマンタクチャの著書で、
どちらかというと私はこちらの本が好きで、
よく目を通しております。


気内臓療法のグーグルブックスのプレビュー
http://books.google.co.jp/books?id=XperyW2sfTwC&printsec=frontcover&hl=ja#v=onepage&q&f=false



もし腹部に不快感があるときには、
まず必ず医師に診断を受けてください。


私も含め、民間療法の先生方には、
最新の病理学臨床例など、
わからないところも多々あります。
だから必ず医師の診断をいただき、
医師の治療を受けるべき問題がないことを確認してください。
その上で、医師から民間療法の施術を受けても気持ちがいいならばよいではないかと
判断をしていただいた場合に、施術を受けることを考えてください。


その際に、どのような施術を選択すべきか。
「内臓マニュピレーション」の施術はとてもソフトかつ有効性が高く危険性が少ないと思います。



単純にいえば、
もしも何らかの疾患があられる方が施術を受ける場合は、
健康な方が受けることと比べるとリスクが大きいのです。


そして、
リリースするメリットが高い部分は、
多くがリリースにリスクが伴います。


私には、とある内臓マッサージの本を参照して、
「これで、ひどい目にあう人がでなければいいのだが」と、
心配してしまったことがあるのです。
もしもこの本を読んで真似てやって、
それで事が起きても、その前後の様子が立証できなければ、
裁判でも勝てません。
たとえ本当に書面通りやってみて、
失敗したとしても。


内臓マッサージの流行ったときにも、
頭蓋骨の調整が流行ったときと同様に、
あまり習熟度が高くない様子で施術をなさられて、
思わしくない結果が生まれたということもありました。


なのでもしも体が弱っている方が内臓マッサージを受ける必要があると感じられているときは、
できれば十分にメディカルな知識を持っている先生を見つけていただくよう、
努めていただければとお願い致します。